忘年会の幹事を任されて「どうしよう……」と悩まれている方は、ぜひ幹事マニュアルとして本記事をご活用ください。
本記事では、初めて幹事をつとめる方でも失敗しないよう、忘年会の事前準備から当日までの「やることリスト」をまとめています。
忘年会の準備をスムーズにすすめるためリスト項目を順番に紹介するほか、押さえておきたいポイントもご紹介。
本記事を参考にしていただければ忘年会までに必要なことがわかるだけでなく、具体的に準備がすすめられるはずです!
【事前準備】忘年会のやることリスト
ここでは、忘年会までの事前準備としてやることリストを紹介していきます。
日程調整
おおよその時期を決めたら開催日の日程を調整します。まず忘年会当日の「挨拶」をお願いする上司の予定を先に確認してから候補日をしぼりましょう。
~ポイント~
- 挨拶をお願いしたい上司には都合のつく日をいくつか教えてもらう。
- 候補日の中から参加者が最も多い日を開催日にする。
- 日程調整ツールを活用する。例:調整さん
忘年会の日程調整についてはこちらの記事もご参照ください。
会場探し
忘年会シーズンは会場が押さえにくいため、日程調整と同時進行でリサーチしましょう。たとえば「個室あり」「貸切可」「座敷」などの条件や「ホテル」「レストラン」「パーティールーム」「居酒屋」などのジャンルをしぼってから探すとスムーズです。
料理ジャンルについては参加者にアンケートを取って希望をくむと喜ばれます。お店以外ならデリバリーやケータリング、出張シェフなども選択肢なので忘年会のスタイルを決めてから食事の方法も考えましょう。
~ポイント~
- 予算や条件に合わせて検索する。
- お得な宴会プランもチェックする。
- 料理ジャンルは前年とかぶらないようにする。
- 職場や最寄り駅からのアクセスも確認する。
- 音響や映像などに必要な機材が使えるかも調べる。
忘年会の会場選びについてはこちらの記事もご参照ください。
参加費の決定
もし前回、前々回の参加費がわかるなら同じような額で会場を探しましょう。また、忘年会の一般的な参加費は3,000円~5,000円が相場です。余興で景品などを配るのであれば「飲食代」に予算をプラスして参加費を決めます。
~ポイント~
- 参加費は高すぎると参加率が減り、低すぎると食事の質が下がるため適正に設定する。
- 予約サイトのクーポンや早割などを利用すれば予算が抑えられる可能性もある。
幹事チームの立ち上げ
大人数の忘年会では幹事チームを立ち上げて役割分担しましょう。あまりに人数が多いと無駄な仕事が増えるため、忘年会の規模に合わせて数名で組むのがポイントです。
~ポイント~
- 司会、進行スタッフ、会計など得意分野に分けるとよい。
- チーム内で情報共有を徹底してミスやトラブルを防ぐ。
会場の下見
必ずしも下見の必要はありませんが、ネット情報だけではわからない詳細がつかめます。なにか余興を企画するのであれば、実際の広さや動線、レイアウトなどを確認しておくとよいでしょう。
~ポイント~
- 職場や最寄り駅からのアクセスはどうか。
- 駐車場はあるか、利用料金はいくらか。
- 店内の動線やレイアウトは過ごしやすいか。
- 靴のまま過ごせるか、座敷では足が下せるか。
- 店内禁煙の場合、喫煙コーナーの設置はあるか。
- 店員の接客態度や客層に問題はないか。
- 音響機器や映像機器は利用できるか。
会場の予約
会場の予約は条件や規約を確認してからにしましょう。
~ポイント~
- 利用可能時間は?
- 人数の変更はいつまで可能?
- 開始時間の変更や延長はできる?
- レイアウトは変更できる?
- キャンセルはいつまで可能?
- 最低保証料金は必要?金額は?
挨拶の依頼
忘年会では代表者や責任者に挨拶をお願いするのが一般的です。それぞれの挨拶の対象者へは持ち時間を伝えた上で早めに依頼しておきましょう。少人数の場合は締めの挨拶だけを代表者に任せ、あとは幹事や司会が行うケースもありますので、対象者は忘年会の規模や参加者層に合わせてかまいません。
~ポイント~
- 開会の挨拶……幹事、司会
- 最初の挨拶……最も立場の高い人
- 乾杯の挨拶……3番目に立場の高い人
- 締めの挨拶……2番目に立場の高い人
- 閉会の挨拶……幹事、司会
忘年会の挨拶についてはこちらの記事もご参照ください。
余興・出し物の企画
食事が落ち着いたら余興・出し物で忘年会を盛り上げます。たとえば2時間予定の忘年会であれば15分から30分が余興・出し物にあてられますので、幹事がゲームを仕切ったり、若手社員にパフォーマンスをお願いしたりして参加者を楽しませましょう。
~ポイント~
- その場で座って楽しめるゲームだと会場を選ばない。
- 大人数の場合はチーム対抗戦や勝ち抜き戦もあり。
- 歌、ダンス、手品などは得意な社員にお願いする。
忘年会の余興についてはこちらの記事もご参照ください。
景品の用意
忘年会の余興でゲームをする場合は景品を用意しましょう。参加人数が確定してからでかまいません。
~ポイント~
- 参加者の3割程度の数を目安に景品を用意してゲームを企画する。
- ゲームによっては景品数の2~3割程度を豪華景品にすると盛り上がる。
- ゲームによっては景品に1等、2等、3等とランクをつけるとよい。
忘年会の景品についてはこちらの記事もご参照ください。
参加費の徴収方法を決定
参加費の徴収を「当日」か「前日まで」のどちらにするか、それぞれのメリット・デメリットを確認してからを決めましょう。お釣りが出にくい金額で参加費を設定したり、お釣りが出ないように準備してもらったりしておくのもポイントです。
~当日~
- メリット……その場で全員から徴収できる。
- デメリット……受付が忙しくなる。
~前日まで~
- メリット……当日の負担が減る。
- デメリット……徴収に手間がかかり、お金の管理も必要。
案内メールの送信
忘年会の詳細が決まったら対象者に案内メールを送りましょう。
~案内メールに必要な項目~
- 開催日時
- 会場
- お店の地図
- アクセス
- 参加費と徴収方法
- 出欠の返信方法や返信期日
- 幹事の連絡先
件名:【忘年会のご案内】
社員各位
今年も残すところ後わずかとなりました。そこで恒例の忘年会を下記の通り開催いたします。
つきましては一年の労をねぎらいながら社内の親睦を深めたいと存じます。
お忙しい時期かとは存じますが、是非ご参加くださいますようお願い申し上げます。
出欠のご回答は〇月〇日(曜日)までに、こちらのメールの件名を変えずそのまま返信をお願いいたします。
**************
《概要》
日時:20××年〇月〇日(〇) 午後〇時〇分より
場所:居酒屋○○(地下鉄〇〇線〇〇駅下車徒歩〇分)
住所:東京都〇〇区〇〇1-2-3(地図:http:~~URL)
電話番号:03-〇〇〇-〇〇〇〇
会費:4,000円(当日受付にて)
問い合わせ先:幹事 ○○部 ○○ 携帯:090-xxxx-xxxx
**************
(以下署名)
忘年会の案内についてはこちらの記事もご参照ください。
出欠管理と最終報告
出欠の返信をまとめたら会場へ人数の最終報告をします。早割適用などの場合は料理メニューや宴会プランもオーダーしておきましょう。
~ポイント~
- 幹事無料のプランを利用する場合は人数報告を間違えない。
- 出欠管理は専用ツールを使うと便利です。例:調整さん
席次表の作成
参加者が確定したら席次表を作成しましょう。出入口に近い席が「下座」、出入口から遠い席が「上座」です。幹事は基本的に「下座」に座って常に全体の状況を確認します。
~ポイント~
- 上司は「上座」の中央から立場順で配席する。
- 幹事が数名の場合は「上座」と「下座」にわかれてもよい。
進行表の作成
当日の進行がスムーズになるよう進行表を作成しましょう。会場の利用時間に合わせたタイムスケジュールも記入しておくと便利です。
~進行表の例~
- 開始の挨拶(5分)19:00~19:05
- 乾杯の挨拶(5分)19:05~19:10
- 食事・歓談(40分)19:10~19:50
- 余興・出し物(25分)19:50~20:15
- 食事・歓談(30分)20:15~20:45
- 会計(5分)20:45~20:50
- 中締めの挨拶(5分)20:50~20:55
- 閉会の挨拶・退店(5分)20:55~21:00
リマインドメールの送信
お店へのキャンセル可能な期日に合わせ、ドタキャンを防ぐためにも参加者へリマインドメールを送りましょう。もちろん参加者の気持ちを高める効果もあります。
件名:【再送】忘年会のご案内
○○各位
お疲れ様です。○○部の○○です。
先日ご案内しました忘年会の開催日が近づいてまいりましたので、参加者の方々に改めてご連絡いたします。
《概要》
日時:20××年〇月〇日(〇) 午後〇時〇分より
場所:居酒屋○○(地下鉄〇〇線〇〇駅下車徒歩〇分)
住所:東京都〇〇区〇〇1-2-3(地図:http:~~URL)
電話番号:03-〇〇〇-〇〇〇〇
会費:4,000円(当日受付にて)
万が一ご都合が悪くなられた場合は、お手数ですが今週中に○○(幹事)までご連絡ください。
来週以降はお店へのキャンセル料が発生しますので何卒ご了承ください。
よろしくお願いいたします。
(以下署名)
【当日進行】忘年会のやることリスト
ここでは、忘年会当日の進行としてやることリストを紹介していきます。
会場への誘導・受付
忘年会の開始までに参加者を会場へ誘導します。もし現地集合の場合は開始15分前を目安に会場前で参加者を出迎えましょう。
~ポイント~
- 開始までに参加者の出席を確認する。
- 参加者から参加費を徴収する(当日徴収の場合)。
タイムスケジュールに沿った進行
忘年会の開始時間になったら全員がそろっていなくてもスタートします。遅れてくる参加者がいる場合は幹事か代理の人に受付や案内をしてもらいましょう。当日は進行表のタイムスケジュールに沿って進行します。
-
- 開始の挨拶……参加へのお礼と自己紹介を述べ開会を宣言する。
- 乾杯の挨拶……乾杯用のドリンクは早めに用意してもらっておく。
- 食事・歓談……料理や飲み物が行き渡っているか常に確認する。
- 余興・出し物……いったん落ち着かせてから会場を盛り上げる。
- 食事・歓談……ラストオーダーに注意しながら楽しんでもらう。
- 会場への支払い……ラストオーダーの後に支払いを済ませておく。
- 中締めの挨拶……会場を落ち着かせてからお開きの時間を伝える。
- 閉会の挨拶……参加へのお礼や一言を添えて閉会を宣言する。
- 二次会の案内……すみやかに移動できるよう詳細をアナウンスする。
- 退店……忘れ物がないか確認し、会場の方にお礼をいって速やかに退店する。
ここからは進行に使える司会のセリフを紹介しますので台本作りにご活用ください。
■開始の挨拶
「皆さまお待たせいたしました。本日は株式会社○○の忘年会にご参加いただきありがとうございます!本日司会進行を務めます、○○○○(氏名)です。よろしくお願いします!」
■乾杯の挨拶
《挨拶の前》
「それでは、○○(役職名)に乾杯の音頭をお願いしたいと思います。
皆さま、グラスのご用意をお願いします。○○(役職名)、よろしくお願いいたします。」
《挨拶の後》
「○○(役職名)、ありがとうございました!」
■食事・歓談
「皆さま、お食事もととのっていますので、どうぞ、ごゆっくりお楽しみください!」
■余興・出し物
《余興前》
「皆さま、お待たせいたしました。ここからは○○(余興)の時間です!」
《余興後》
「○○さん、○○さん、楽しいひとときをありがとうございました。それでは、まだまだお食事も残っていますので、お時間の許す限りおくつろぎください。」
■中締めの挨拶
「さて、皆さま、宴もたけなわではございますが、お時間がまいりましたので、ここで○○(役職名)に、中締めのご挨拶をお願いいたします。それでは、○○(役職名)、よろしくお願いいたします。」
(手締め・万歳三唱など)
■閉会の挨拶
「これにて、株式会社○○の忘年会を、お開きとさせていただきます。皆さま、本日はお集まりいただき、誠にありがとうございました。どなた様もお忘れ物がないかご確認のうえ、どうぞ気をつけてお帰りください。ありがとうございました。」
《2次会がある場合》
「この後、二次会にご参加いただける方は、○○までお越しください(ほか詳細をアナウンス)。」
忘年会の司会進行についてはこちらの記事もご参照ください。
二次会の準備
二次会も開催するなら、一次会終了後に参加人数を確定させてから予約します。あらかじめ会場の候補をリストアップしておくとスムーズです。
~ポイント~
- 一次会の場所から近いお店。
- 深夜まで営業しているお店。
- 参加者のニーズに合うお店。例:はしゃぎたい→カラオケ、ダーツバー、じっくり話したい、まったり飲みたい→カフェバー
【当日以降】忘年会のやることリスト
ここでは、忘年会当日以降のやることリストを紹介していきます。
お礼メールの送信
忘年会の終了後は当日か翌日には参加者へお礼メールを送りましょう。
▼参加者へのお礼メール例文
件名:忘年会のお礼 ○○○○(名前)
おはようございます。○○です。
昨日はお忙しい中、忘年会にご参加いただき、本当にありがとうございました。
至らぬ点も多々あったと思いますが、お楽しみいただけたでしょうか。
また機会がありましたら、来年の忘年会の盛況に尽力したく思います。
略儀ではありますが、メールにてお礼を申し上げます。
(以下署名)
~ポイント~
- 挨拶を依頼した上司へは「また、乾杯の際はご挨拶いただき、重ねてお礼申し上げます。」と添える。
- ご厚志(カンパ)をくれた上司へは「また、ご厚志まで頂戴し、ご厚情のほど重ねてお礼申し上げます。」と添える。
会計処理・収支報告
忘年会の終了は会計処理と収支報告を済ませてからです。
~ポイント~
- 参加者から徴収した金額と領収書を照らし合わせ残金に差がないか計算する。
- 一次会で発生した余剰金や不足金、二次会での未収金などがあれば清算する。
- 会計事項をまとめて参加者に収支報告する。
まとめ
忘年会の幹事を任されたら、まず「やること」をリストアップしましょう。そしてリストをスケジュール化し準備をすすめます。
幹事の仕事は日程調整から収支報告まで多岐にわたりますので、大人数の場合はチームを組んで役割分担するのもポイント。
本記事で紹介したように進行表やタイムスケジュール、司会の台本もあると便利です。ぜひ、本記事の幹事マニュアルを参考に、これからの準備に役立ててください。