会社の創立記念に招かれたら「ご祝儀はいくら包むべき?」「のし袋ってどう書くの?」など気になりますよね。

また、お祝い品の渡し方や出席できないときの対応など悩ましいこともあるのではないでしょうか。

本記事では、以下のように会社の創立記念での正しいマナーを紹介します。

  • ふさわしいご祝儀相場
  • のし袋の好ましい書き方
  • お祝い品の選び方、渡し方

ぜひ、本記事を参考にして、先方に失礼のない作法で創立記念をお祝いしてください。

会社創立記念「ご祝儀」の相場

会社の創立記念のご祝儀相場は以下の通りです。

■出席の場合

  • 通常の取引先……2万円~3万円
  • 重要な取引先……3万円~10万円

ご祝儀は会社の規模や創立年数、取引の長さによって幅が出ます。

また、ゲスト側の会社の規模や先方との関係性によっても差がありますので相場の範囲で調整しましょう。

■欠席の場合

  • 通常の取引先……1万円~3万円
  • 重要な取引先……3万円~5万円

創立記念の式典や祝賀会に欠席するは相場より少なめでかまいません。ご祝儀の代わりにお祝い品を贈ってもいいですが、お祝い品の予算もご祝儀相場の範囲で収めましょう。

会社創立記念「のし袋」の書き方

ここでは、ご祝儀を包むのし袋の書き方を解説します。

■用意するもの

  • 蝶結びの水引
  • 濃い黒の筆ペンか毛筆

のし袋に付いている水引は「蝶結び」を用意しましょう。何度でも結び直せる蝶結びには「喜びごとが何度も訪れますように」という意味があるためです。

水引の端が上を向いた「結び切り」や、ほどけないよう複雑に結ばれている「あわじ結び」は結婚式向けですので選ばないよう注意しましょう。

のし袋に使うのは濃い黒の筆ペンか毛筆です。薄墨ペンやサインペン、ボールペンはマナー違反ですので使用しません。

表書きの書き方

表書きの上段にお祝いの文言を書きます。

■表書きの例

  • 御祝
  • 祝○周年
  • 創立記念 御祝
  • 祝 御創立○周年
  • 御創立 ○周年御祝

表書きの下段には「名前(フルネーム)」を書きます。もし会社(店)を代表して包む場合は名前の右側に会社名(店名)を添えます。

尚、お祝い品を贈る場合の「のし紙」の書き方も同じですので、参考にしてください。

◆のし袋を用意するときの注意点

  • 創立……事業を開始した日
  • 設立……会社を登記した日

お祝いマナーとして気をつけたいのが「創立」と「設立」の違いです。

法人登記を行って「会社」として事業を開始するのが「設立」なのに対し、「創立(創業)」は法人登記を行わないまま事業を始めているケースが多いため、招待状の表記をよく確認しましょう。

中袋の書き方

ご祝儀を1万円以上包む場合、のし袋は外袋と中袋が分かれているセパレートタイプを選びましょう。

中袋の表には旧字体で金額を、裏には住所、名前(フルネーム)を書きます。会社を代表して贈る場合は会社名も添えましょう。

■金額の旧字体一例

  • 10,000円……金 壱萬圓
  • 20,000円……金 弐萬圓
  • 30,000円……金 参萬圓
  • 50,000円……金 伍萬圓
  • 100,000円……金 壱拾萬圓

お札を中袋に入れるときは人物が描かれた面を表にし、さらに人物が上にくるようにすると丁寧です。

お札を未使用の新札で用意するのもお祝いの際のマナー。いくらシワがなくても使用済みの「ピン札」は新札でないため控えましょう。

会社創立記念「お祝い品」の選び方・渡し方

ここでは、創立記念にふさわしいお祝い品の選び方・渡し方を解説します。

お祝い品の選び方

お祝い品は、先方に喜ばれる5つのポイントを押さえて選びましょう。

~ポイント~

  • 記念になるもの(名入れ、刻印)
  • 華やかなもの(高級感、特別感)
  • 実用的なもの(インテリア、オフィス家電)
  • 会社で共有できるもの(お菓子、お花)
  • 好みに合わせられるもの(カタログギフト)

お祝い品としてNGなものを避けるのもマナーです。

~NGポイント~

  • 踏みつけるもの(靴下、サンダル、スリッパ)
  • 縁起の悪いもの(お茶、海苔、ハンカチ、櫛)
  • 赤字や火事を連想させるもの(ライター、キャンドル、暖房器具、灰皿、赤一色)

「踏みつけるもの」は相手を見下す意味と受け取られかねないためです。

「縁起の悪いもの」には、お茶や海苔のような弔事の品の定番であったり、別れを意味するハンカチであったり、櫛(くし=苦死)のように語呂が悪いものがあります。

「赤字や火事を連想させるもの」は会社への贈り物として適しません。

お祝い品の贈り方

お祝いは創立記念日の1週間前から当日までに贈りましょう。式典や祝賀会に出席する場合は直接渡してもかまいませんが、先方の負担にならないような品に限ります。お花をパーティー会場に送る場合は前日までに会場へ到着するよう手配します。

大型の品を贈る場合は相手が受け取りに困らないよう事前に電話やメール、手紙などで連絡しておきましょう。いずれの品を贈る場合でも、お祝いのメッセージを添えておくと丁寧です。

~メッセージ例~

  • 創立〇周年、誠におめでとうございます。貴社のご発展をお祈り申し上げます。
  • 貴社創立○周年、謹んでお祝いを申し上げます。益々のご躍進をお祈り申し上げます。
  • 創立記念式典のご盛会を心よりお喜び申し上げます。 貴社のさらなるご発展を祈念いたします。

会社の創立記念「お祝い品」のおすすめギフト6選

ここでは、会社への創立記念祝いとしておすすめのギフトを紹介します。

胡蝶蘭

出典:らんや

胡蝶蘭は花言葉に「幸福が飛んでくる」の意味があるため創立記念のお祝いとして人気です。創立の周年数に合わせたボリューム感で選べるのも魅力です。お花を贈るときは「立札」を添えます。立札には、贈り主の名前や会社名のほか、「祝 創立○○周年」「祝 ○○周年」「祝 創立○○周年」「創立○○年御祝」などの頭書きを記載するのが一般的です。

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観葉植物

出典:HitoHana

オフィスのインテリアとしても好まれる観葉植物は創立記念祝いの定番です。日常管理が簡単で丈夫な「モンステラ」「パキラ」「ユッカ」のほか、スタイリッシュなフォルムが人気の「フィカス」「オーガスタ」「エバーフレッシュ」などバリエーションも多彩。観葉植物を贈るときは贈り主の名前や会社名、「祝 創立○○周年」「祝 ○○周年」「祝 創立○○周年」「創立○○年御祝」などの頭書きをした「立札」も添えます。

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プリザーブドフラワー

出典:Belles Fleurs Tokyo

先方に日常管理や枯れた後の処理といった負担をかけたくないなら、水やり不要で2~3年ほど保つプリザーブドフラワーはいかがでしょうか。生花に特殊加工で着色を施しているため発色があざやかで、どの場所に飾っても空間を華やかな雰囲気にします。プリザーブドフラワーの形式に合わせ、「のし紙」や「立札」を添えましょう。いずれも贈り主の名前や会社名、「祝 創立○○周年」「祝 ○○周年」「祝 創立○○周年」「創立○○年御祝」などの文言を書き入れます。

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名入りのお酒


出典:Giftmall

さまざまな記念日祝いに人気の名入れギフト。お酒好きの先方には名前やアニバーサリーメッセージを施したボトルを贈りませんか。お酒を飲んだ後もボトルを記念品として残せるのが魅力です。日本酒、ワイン、ウイスキー、シャンパンなどラインナップも豊富なので、先方の好みに合わせられます。

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ギフトスイーツ

出典:TANP

先方が会社で振る舞うのを前提にするなら個装包装の焼き菓子がおすすめ。おしゃれなパッケージや高級感、もらって嬉しいブランド性にこだわりましょう。ご祝儀と合わてお祝いしたいときにちょうどいいコスパ感、式典や祝賀パーティーに出席するとき持って行きやすいボリューム感もポイントです。

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カタログギフト

出典:Giftmall

カタログギフトで先方に「選ぶ楽しみ」を贈るのもおすすめ。レストランやホテルでのアフタヌーンティーといったグルメ体験ほか、リラクゼーション、レジャー、ものづくり教室など幅広いカタログがそろっています。たとえば式典や祝賀パーティーに出席できない場合、ご祝儀の代わりに贈っても喜ばれるギフトです。

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会社の創立記念で気をつけたいマナーQ&A

ここでは、よくあるシチュエーションを例に挙げ、会社の創立記念での気をつけたいマナーについて解説します。

会費制の場合のご祝儀は?

創立記念イベントが会費制であれば、ご祝儀は必要ありません。招待状に「会費○○○○円」と金額が明記されているなら、その金額を会場で支払います。のし袋に入れる必要もなく現金をそのまま渡しますが、できるだけ見た目にきれいなお札を出すようにしましょう。

ご祝儀を先方に断られたら?

招待状に「お祝い金などの持参はお断りします」という趣旨の文言が添えられている場合、ご祝儀は渡さないのがマナーです。お祝い品も控えるのがよいでしょう。ただ、どうしてもお祝いの気持ちを示したいのであれば、お花や電報を記念日の1週間前~当日に贈ってはどうでしょうか。

出席できないときは?

創立記念の式典や祝賀会に出席できない事情がある場合は、早めに先方に欠席の旨を伝えましょう。ご祝儀や電報、お祝い品、お花などを贈って祝意を伝えるほか、おわびも添えると丁寧です。

このたびは創立○年記念、誠におめでとうございます。せっかく招待いただきましたのに、ご祝典に出席できず誠に残念です。貴社のこれまでのご功績に敬意を表すとともに、ますますのご発展とご活躍を祈念いたします。

まとめ

会社の創立記念は正しマナーでお祝いしましょう。ご祝儀やお祝い品は相場の範囲で準備し、のし袋、のし紙には表書きを、お花の立札には頭書きを、創立記念に合った内容で記載します。

ご祝儀もお祝い品も創立記念の1週間前~当日を目安に贈るのもポイント。式典や祝賀会などに出席する場合は会場で渡してもかまいませんが、先方の負担にならないか配慮も必要です。

会社の創立記念に適さない品物や出席できない場合の対応など気をつけたいお祝いマナーにも注意して、失礼のないよう祝意を示しましょう。

お祝いの品に迷ったら、ぜひ、本記事で紹介したおすすめギフトも参考にしてください。