歓迎会の幹事を任されて「なんで自分なの?」「自分にできるかな……」などと悩まれていませんか?
上司に頼まれてその場で引き受けたものの、いろいろと不安があるのではないでしょうか。
そこで本記事では、これまで幹事をやったことがない方はもちろん、「新人なのに抜擢された」という方でも幹事が務まるよう、歓迎会の事前準備から当日までの「やることリスト」をご紹介。
それぞれのリスト項目に記載されているポイントも参考にしながら、ぜひ、これからの準備に役立ててくださいね!
そもそも歓迎会の幹事は誰がやるもの?
歓迎会の幹事は誰がやっても構わないのですが、幹事を任される人には必ず「理由」があります。もしかすると「なぜ自分が選ばれたのかわからない」と戸惑っている幹事さんもおられるかもしれませんが、会社から期待されていることは間違いないでしょう。
■歓迎会の幹事を任されやすい人
- 新人、新入社員
- 体育会系
- ムードメーカー
- リーダー、コアメンバー
- お店に詳しい、グルメ好き
- よく飲む、よく食べる
特に入社したばかりの新人や新入社員に幹事を任せるのは、「幹事をこなしながら業務力を上げてほしい」「職場の人たちと活発にコミュニケーションを図ってほしい」などの理由からです。
事実、幹事の仕事には企画力や調整能力、予算管理能力、危機管理能力などが求められますから、いい機会を与えられたと前向きにとらえて取り組みましょう。歓迎会を終える頃には想像以上のスキルアップを得られているかもしれませんよ!
【事前準備】歓迎会幹事のやることリスト
ここでは、歓迎会までの事前準備に必要な「やることリスト」を紹介していきます。
日程調整
歓迎会の開催日を決めるときは主役や挨拶をしてもらう上司の都合のいい日を優先に日程調整します。
~ポイント~
- まず「主役」や「挨拶をお願いする上司」の予定を押さえる。
- いくつか候補日をしぼり、参加者が最も多い日を開催日にする。
- 日程調整をスムーズにする便利ツールを活用する。例:調整さん
会場探し
会場は歓迎会の予算に大きく影響するだけでなく参加者の満足度に直結するため、さまざまな条件を確認しながら選びます。また、歓迎会シーズンは予約が集中しますので、ふさわしい会場が見つかったら早めに押さえておきましょう。
もし最終的な会場選びで迷ったら、いくつか候補をしぼっておいて参加者へのアンケートで決めるのもおすすめ。
~ポイント~
- プランやアクセス、収容人数など条件をしぼりながら検索する。
- 取り分けの手間をかけたくないなら個々皿のコースを注文する。
- 早期予約割引や幹事無料などお得な宴会プランも選択肢のひとつ。
- 飲み放題はノンアル派にも喜ばれる充実したメニューなのか確認する。
- ゲームや出し物に必要な音響・映像などの機材が使えるかも確認する。
参加費の決定
歓迎会の一般的な参加費は4,000円程度が相場です。参加費には飲食代のほか、景品代、備品代、会場費、予備費などの予算も含まれますので、規模や参加者層に合わせた適切な参加費を決定しましょう。
~ポイント~
- 参加費は高すぎると参加率が下がり、低すぎると飲食の質が下がるため適正に設定する。
- 参加費を全員一律にするのか、性別や立場別で金額差をつけるのかも確認しておく。
歓迎会の予算については詳しく書かれた記事がありますので、よければ合わせてお読みください。
幹事チームの立ち上げ
大規模な歓迎会なのであれば仕事が分担できるよう幹事チームを立ち上げます。メンバーが多すぎてもコミュニケーションが煩雑になって準備の効率を下げる場合がありますので、参加者10名に対して幹事1名を目安にしましょう。
~ポイント~
- 役割は司会、運営、会計、音響などメンバーの得意分野で分担する。
- チーム内では常に進捗状況を共有しながらミスやトラブルを防ぐ。
会場の下見
歓迎会の当日になって「やってしまった……」と後悔しないよう、できるだけ会場を下見しておきましょう。
~ポイント~
- 職場や最寄り駅からのアクセスはどうか。
- 駐車場はあるか、駐車料金はいくらか。
- 店内の動線やレイアウトは問題ないか。
- 靴のまま過ごせるか、座敷では足が下せるか。
- 店内禁煙の場合、喫煙コーナーの設置があるか。
- お店の客層や店員の接客態度はどうか。
- 音響や映像などに必要な機材は利用できるか。
会場の予約
会場が決まったら、予約条件や利用規約などを確認してから予約しましょう。
~ポイント~
- 利用可能時間は?
- 人数の変更可能なのはいつまで?
- 開始時間の変更や延長はできる?
- 席のレイアウトは変更できる?
- 仮予約やキャンセルはいつまで可能?
- 最低保証料金は必要?金額は?
挨拶の依頼
歓迎会では流れに沿って挨拶を行います。小規模でカジュアルな歓迎会なら幹事だけの場合もありますが、一般的には挨拶の順番や適任者が決まっていますので、対象者には持ち時間を伝えた上で早めに依頼しておきましょう。
~ポイント~
- 開会の挨拶……幹事、司会
- 最初の挨拶……最も立場の高い人
- 乾杯の挨拶……3番目に立場の高い人
- 締めの挨拶……2番目に立場の高い人
- 閉会の挨拶……幹事、司会
※歓迎会では主役の挨拶や自己紹介もありますので、どのタイミングで登場してもらうか先輩や上司に確認しておきましょう。
歓迎会で乾杯の挨拶も行う場合は詳しく書かれた記事がありますので、よければ合わせてお読みください。
余興・出し物の企画
余興・出し物で歓迎会を盛り上げるなら、会場や参加者層に応じた内容を企画しましょう。もし2時間予定の歓迎会であれば15分から30分の時間配分を目安にプログラムに組みます。
~ポイント~
- その場で座って楽しめるクイズやビンゴは会場を選ばない。
- 大人数で貸切の場合はチーム対抗戦や勝ち抜き戦で景品争奪で楽しませる。
- 歌、ダンス、手品などのパフォーマンスは得意な社員にお願いする。
歓迎会におすすめなゲームについては詳しく書かれた記事がありますので、よければ合わせてお読みください。
景品の用意
歓迎会の余興で景品争奪戦のゲームをするなら、参加人数が確定してから必要な数の景品を用意しましょう。
~ポイント~
- 景品数は参加者の3割程度を目安にする。
- 全体の2~3割程度を豪華景品して1等、2等、3等とランクをつける。
- 豪華景品以外のサブ景品は参加賞や敢闘賞などとして盛り上げてもよい。
参加費の徴収時期を決定
歓迎会の参加費は「当日」か「前日まで」かと徴収する時期によってメリット・デメリットがありますので、よく検討して決めましょう。いずれの時期でもお釣りが出にくい金額設定や、お釣りが出ないようお願いするのも会計管理をスムーズにするポイントです。
~当日~
- メリット……その場で全員からの徴収が可能。
- デメリット……当日の受付や会計が忙しくなる。
~前日まで~
- メリット……当日の業務負担が減る。
- デメリット……徴収に手間がかかり、お金の管理も必要。
案内メールの送信
歓迎会の詳細が決まったら対象者に案内メールを送りましょう。
~案内メールに必要な項目~
- 開催日時
- 会場
- お店の地図
- アクセス
- 参加費と徴収方法
- 出欠の返信方法や返信期日
- 幹事の連絡先
件名:【新入社員歓迎会のご案内】
社員各位
お疲れ様です。~季節の挨拶~
このたび当社では〇名の新入社員を迎えることとなりました。
つきましては歓迎会を開催し、社内の親睦を深めたいと存じます。
ご多用かとは存じますが、是非ご参加くださいますようお願い申し上げます。
出欠のご回答は〇月〇日(曜日)までに、こちらのメールの件名を変えずそのまま返信をお願いいたします。
**************
《概要》
日時:20××年〇月〇日(〇) 午後〇時〇分より
場所:居酒屋○○(地下鉄〇〇線〇〇駅下車徒歩〇分)
住所:東京都〇〇区〇〇1-2-3(地図:http:~~URL)
電話番号:03-〇〇〇-〇〇〇〇
会費:4,000円(当日受付にて)
問い合わせ先:幹事 ○○部 ○○ 携帯:090-xxxx-xxxx
**************
(以下署名)
歓迎会の案内メールについては詳しく書かれた記事がありますので、よければ合わせてお読みください。
出欠管理と最終報告
案内メールで通知した期日が過ぎたら出欠をまとめて会場へ最終報告をしましょう。大人数の場合は料理プランも合わせてオーダーしておくと当日の運営がスムーズです。
~ポイント~
- 幹事無料プランを利用する場合は人数を間違えない。
- 出欠管理に便利な専用ツールを使う。例:調整さん
席次表の作成
歓迎会の参加者が確定したら当日の着席をスムーズにする席次表を作成しましょう。席順を決めるときは出入口に近い「下座」、出入口から遠い「上座」に注意しながら配席します。幹事は「下座」に着席し、全体の状況を確認しながら運営に徹するのが基本です。
~ポイント~
- 複数の上司が参加する場合は「上座」の中央から立場順で配席する。
- 歓迎会の主役は「上座」や「中央」に配席する。
- 幹事が数名の場合は「上座」と「下座」に分かれて会をサポートしてもよい。
進行表の作成
歓迎会当日の進行がスムーズになるようタイムスケジュールがわかる進行表を作成しましょう。
~進行表の例~
- 開始の挨拶(5分)19:00~19:05
- 乾杯の挨拶(5分)19:05~19:10
- 食事・歓談(40分)19:10~19:50 ※主役の挨拶、自己紹介
- 余興・出し物(25分)19:50~20:15
- 食事・歓談(30分)20:15~20:45
- 会計(5分)20:45~20:50
- 中締めの挨拶(5分)20:50~20:55
- 閉会の挨拶・退店(5分)20:55~21:00
リマインドメールの送信
参加者からのドタキャンを防いだり、参加者の気持ちを盛り上げたりなどを目的に、歓迎会の1週間前を目安にしてリマインドメールを送信しましょう。
件名:【再送】○○さん歓迎会のご案内
○○各位
お疲れ様です。○○部の○○です。
先日ご案内しました○○さん歓迎会の開催日が近づいてまいりましたので、参加者の方々に改めてご連絡いたします。
《概要》
日時:20××年〇月〇日(〇) 午後〇時〇分より
場所:居酒屋○○(地下鉄〇〇線〇〇駅下車徒歩〇分)
住所:東京都〇〇区〇〇1-2-3(地図:http:~~URL)
電話番号:03-〇〇〇-〇〇〇〇
会費:4,000円(当日受付にて)
万が一ご都合が悪くなられた場合は、お手数ですが今週中に○○(幹事)までご連絡ください。
来週以降はお店へのキャンセル料が発生しますので何卒ご了承ください。
よろしくお願いいたします。
(以下署名)
【当日進行】歓迎会幹事のやることリスト
ここでは、歓迎会当日の進行に必要な「やることリスト」を紹介していきます。
会場への案内・受付
歓迎会の開始15分前を目安に会場前で参加者を出迎え、お店へ案内します。必要に応じて「幹事が複数名いる」「重役の歓迎会である」などの場合は歓迎会の主役をともなって会場入りしてもかまいません。
~ポイント~
- 受付で参加者の出席を確認する。
- 当日徴収の場合は参加費を徴収する。
タイムスケジュールに沿った進行
開始時間になったら会場を落ち着かせ歓迎会を始めます。もし遅れている参加者がいる場合は別の幹事か代行をお願いできる社員に受付や案内をしてもらいましょう。
- 開始の挨拶……参加へのお礼、自己紹介、盛り上げのひとことで始める。
- 乾杯の挨拶……事前に乾杯用のドリンクを注文しておく。
- 食事・歓談……料理や飲み物が全員に行き渡っているか常に確認する。
- 余興・出し物……いったん会場を落ち着かせてから参加者を盛り上げる。
- 食事・歓談……ラストオーダーに注意する。
- 会場への支払い……ラストオーダーが済んだら会場に支払いをする。
- 中締めの挨拶……会場を落ち着かせてからお開きの旨を伝える。
- 閉会の挨拶……参加へのお礼、振り返りのひとことを添えてお開き。
- 二次会の案内……参加者がスムーズに移動できるよう詳細をアナウンスする。
- 退店……忘れ物がないか確認し、会場の方にお礼を述べ、すみやかに退店する。
また、「空いている皿やグラスが残っていないか」「主役がポツンと寂しそうにしていないか」「酔いつぶれている人はいないか」など、常に全体の状況を把握しながら立ち回りましょう。
ここからは司会進行に使えるセリフを紹介しますので台本作りにご活用ください。
■開始の挨拶
「皆さまお待たせいたしました。本日は○○さん歓迎会にご参加いただきありがとうございます!本日司会進行を務めます、○○○○(氏名)です。よろしくお願いします!」
■乾杯の挨拶
《挨拶の前》
「それでは、○○(役職名)に乾杯の音頭をお願いしたいと思います。
皆さま、グラスのご用意をお願いします。○○(役職名)、よろしくお願いいたします。」
《挨拶の後》
「○○(役職名)、ありがとうございました!」
もし上司などから寸志(カンパ)を受け取った場合は乾杯後か食事・歓談中に幹事か司会者がお礼をしましょう。
本日、こちらの歓迎会にご厚志(ごこうし)を頂戴しておりますので、ご紹介いたします。
〇〇社長、〇〇専務、〇〇部長よりご厚志を頂戴しました。
〇〇社長、〇〇専務、〇〇部長、ありがとうございます。
~ポイント~
- 食事や歓談の邪魔にならない声量で行う。
- お礼は相手の方を向いて丁寧に行う。
■食事・歓談
「皆さま、お食事もととのっていますので、どうぞ、ごゆっくりお楽しみください!」
※自己紹介、主役の挨拶がある場合
「それでは、ここで本日の主役である○○さんに○○(自己紹介、挨拶)をお願いしたいと思います。○○さん、よろしくお願いいたします。」
■余興・出し物
《余興前》
「皆さま、お待たせいたしました。ここからは○○(余興)の時間です!」
《余興後》
「○○さん、○○さん、楽しいひとときをありがとうございました。それでは、まだまだお食事も残っていますので、お時間の許す限りおくつろぎください。」
■中締めの挨拶
「さて、皆さま、宴もたけなわではございますが、お時間がまいりましたので、ここで○○(役職名)に、中締めのご挨拶をお願いいたします。それでは、○○(役職名)、よろしくお願いいたします。」
(手締め・万歳三唱など)
■閉会の挨拶
「これにて、○○さん歓迎会を、お開きとさせていただきます。皆さま、本日はお集まりいただき、誠にありがとうございました。どなた様もお忘れ物がないかご確認のうえ、どうぞ気をつけてお帰りください。ありがとうございました。」
《2次会がある場合》
「この後、二次会にご参加いただける方は、○○までお越しください(ほか詳細をアナウンス)。」
歓迎会の司会進行については詳しく書かれた記事がありますので、よければ合わせてお読みください。
二次会の準備
二次会のリクエストに応えられるよう、事前に会場の候補をピックアップしておきましょう。二次会は当日でないと参加者が確定しませんので、一次会終了後に参加人数を確定させてからすみやかに予約します。
~ポイント~
- 一次会の場所から近いお店を探す。
- 深夜まで営業しているお店を選ぶ。
- 参加者のニーズに合わせる。例:はしゃぎたい→カラオケやダーツバー、じっくり話したいorまったり飲みたい→カフェバー
【当日以降】歓迎会幹事のやることリスト
ここでは、歓迎会当日以降の「やることリスト」を紹介していきます。
お礼メールの送信
歓迎会の終了後、当日か翌日に参加者へお礼メールを送りましょう。
▼参加者へのお礼メール例文
件名:○○さん歓迎会のお礼 ○○○○(名前)
おはようございます。○○です。
昨日はお忙しい中、○○さん歓迎会にご参加いただき、ありがとうございました。
至らぬ点も多々あったと思いますが、お食事や余興などはお楽しみいただけたでしょうか。
また機会がありましたら、次回の歓迎会でもお役に立てればと思います。
略儀ではありますが、メールにてお礼を申し上げます。
(以下署名)
~ポイント~
- 挨拶をお願いした相手には「また、○○の際はご挨拶いただき、重ねてお礼申し上げます。」と添える。
- ご厚志(カンパ)をくれた上司へは「また、ご厚志まで頂戴し、ご厚情のほど重ねてお礼申し上げます。」と添える。
会計処理・収支報告
歓迎会の終了後は会計処理と参加者への収支報告を行いましょう。
~ポイント~
- 収入(徴収金額)と支出を照らし合わせて集計する。
- 一次会での余剰金や不足金、二次会での未収金があれば清算する。
まとめ
歓迎会で幹事を任されたら、失敗せず務まるのか、どうやって進行するのかなど悩むかもしれませんが、ぜひ、やることリストを準備や当日の運営にご活用ください。
やることリストは「事前」「当日」「当日以降」とわかれていますので、スケジューリングや役割分担にも応用できます。
本記事では当日の進行がスムーズになるよう進行表やタイムスケジュール、司会用の挨拶も紹介しましたので、ぜひ、こちらも歓迎会の運営にお役立ててくださいね。