お祝いごとのため開催される祝賀会ですが、いざ主催するとなると流れや準備が気になりますよね。

また、「式典」や「祝勝会」との違いがわからず企画で悩むことがあるかもしれません。

本記事では、祝賀会を主催する場合に役立つ基礎知識として以下の内容を紹介します。

  • 祝賀会の意味、よくある祝賀会の例
  • 祝賀会と式典や祝勝会との違い
  • 祝賀会の流れ、準備とポイント
  • 祝賀会にふさわしい服装

ぜひ、本記事を参考に、これからの企画や準備にご活用ください。

祝賀会とは?式典や祝勝会との違いは?

ここでは祝賀会の意味を理解し、混同されやすい「式典」「祝勝会」との違いも確認しておきましょう。

祝賀会は「お祝い」のためのパーティー

祝賀会とは、お祝いのために開催するパーティーのこです。

~祝賀会の例~

  • 創立記念
  • 周年記念
  • 受賞記念
  • 出版記念
  • 誕生日祝い
  • 退職記念

おめでたいこと、喜ばしいことがあったとき、お世話になった人や関係者を招いて開催されます。同じようなイベントに「レセプションパーティー」がありますが、レセプションの意味は「歓迎」「応接」「接待」です。

しかし、祝賀会もレセプションパーティーも喜ばしい雰囲気であることから、厳密な使いわけがないまま認知されています。

式典は「形式」に従って行うセレモニー

式典は、一定の形式に従って行うセレモニーのことです。たとえば「披露宴」「謝恩会」がパーティーなのに対し、「結婚式」「卒業式」はセレモニーにあたります。また、「○○式」の中でも華やかで盛大なものを「式典」とする傾向です。

祝勝会は「勝利」を祝うためのパーティー

祝勝会は、「勝ったこと」を祝うために開催するパーティーです。たとえばスポーツやコンテストなどで優勝したときなどに開催されます。お祝いごと全般が対象の祝賀会と違い、祝勝会はテーマが限定的なのも特徴です。

祝賀会の一般的な流れ

祝賀会の準備をすすめる前に、ここでは一般的な流れを確認しておきましょう。

  1. 開会宣言(司会者)
  2. 主催者の挨拶(最も立場が上の人)
  3. 本人の挨拶(受賞者など主催者でない主賓の場合)
  4. 乾杯(立場が3番目の人)
  5. 食事・歓談
  6. 来賓の祝辞
  7. 祝電の紹介
  8. 余興
  9. 閉会の挨拶(立場が2番目の人)
  10. 閉会宣言(司会者)

たとえば会社が主催して行う創立記念パーティーと、発起人が受賞者を招いて開く受賞記念パーティーでは主催者の立場が異なりますので、「2」と「3」の挨拶の流れは予定している祝賀会の趣旨に合わせましょう。

挨拶の対象者には「どの挨拶か」「どのくらいの持ち時間か」を伝えた上で事前に依頼しておくのも大切です。

祝賀会のための準備

ここでは、祝賀会に向けた準備について解説します。

  • 日程を決める
  • 会場を選ぶ
  • 案内状を作成して送る
  • 進行プログラムを決める
  • 進行表や台本を作成する
  • 出欠管理する
  • 来場記念品を用意する
  • 備品を用意する
  • 打ち合わせ・リハーサルをする
  • 会場の準備をする

開催の決定から当日までのスケジュールに沿ってまとめていますので、今後の段取りの参考にしてください。

日程を決める

祝賀会の日程は主賓(祝われる人)の都合を優先して決めましょう。主賓は会社の創立記念なら「社長」、受賞記念なら「受賞者」、退職記念なら「退職者」です。

~日程決めのポイント~

  • 主賓に日程の候補日をいくつかピックアップしてもらう。
  • 主賓が提示した候補日の中で来場者が多くなりそうな日を選ぶ。
  • 大安や友引、週末は会場が埋まりやすいため早めに仮予約しておく。

会場を選ぶ

祝賀会の規模や予算に合わせて会場を選びましょう。祝賀会を会費制にする場合は会費の徴収も前提に予算を組みます。会場によっては最低保証料金が発生するため、いくつかの会場を仮予約して最終的に調整するとよいでしょう。

~会場選びのポイント~

  • 利用可能時間やレイアウトはどうか?
  • 音響や映像などの設備は利用できるか?
  • 人数の変更やキャンセルはいつまで可能か?

案内状を作成して送る

祝賀会の詳細が決定したら対象者に案内状を送付しましょう。一般的には「往復はがき」「封書」などフォーマルな形式で送付しますが、カジュアルなパーティーの場合はメールやSNSで案内されるケースもあります。

~案内状に記載するポイント~

  • 発信年月日
  • 送付先の宛名
  • 主催者の氏名、会社名、役職名など
  • 案内状の件名(○○祝賀会のご案内)
  • 挨拶文、案内文
  • 詳細(日時・場所・会費・集金方法など)
  • 差出人名(担当者、発起人、幹事など)
  • 出欠の返信期限
  • 出欠の返信方法(期日、返信先、返信方法)
  • 問い合わせ先(担当者の携帯電話番号など)
  • ドレスコード(例:準正装でお越しください)

~創立記念の場合の例文~

○○年○月○日

○○株式会社 御中

○○株式会社
代表取締役 ○○○○

創業○周年記念祝賀会のご案内

謹啓 時下ますますご盛栄のこととお慶び申し上げます。
平素は格別のご厚情を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、おかげをもちまして、弊社は、来る○月○日、創業○周年を迎えることとなりました。
これもひとえに皆様方の温かいご支援の賜物と深く感謝申し上げます。
つきましては、下記の通り、心ばかりの祝宴を催したく存じます。
ご多忙中、誠に恐縮ではございますが、ご来臨を賜りますようお願い申し上げます。
略儀ながら書面にてご案内申し上げます。
謹白

令和○年○月吉日

日時 令和○○年○月○日(○)○時~○時
会場 ○○ホテル ○○の間
電話 ○○○-○○○-○○○○
住所 東京○○区○○ ○丁目○番地
(JR○○線○○駅より徒歩○分)
※当日は準正装にてお越しくださいますようお願い申し上げます。

尚、お手数ではございますが出席のお返事は○月○日までに同封の返信はがきにてお知らせくださいますようお願い申し上げます。

以上

~ポイント~

    • タイトル、挨拶文は祝賀会の趣旨に合わせる。
    • 会費制の場合は金額や徴収方法も記載する。
    • メールの場合は件名に祝賀会の案内であることを明記する。
    • 書面の場合は「謹啓(頭語)」「謹白(結語)」を添えるがメールの場合は不要。

案内状の送付は祝賀会開催の3か月前~1か月前が目安です。大規模な祝賀会は準備や調整の負担が大きくなるため、時間に余裕をもって発送しましょう。

開催の1か月前~2週間前には最終人数を確定させて会場に報告します。会場によって人数変更可能な期日が違うため、事前に確認しておきましょう。

進行プログラムを決める

祝賀会の内容をどうするか、当日の進行プログラムを決めましょう。主賓(祝われる人)に注目を集めるような企画のほか、来場者を楽しませる余興などを考え全体の流れをまとめます。

~進行プログラムのポイント~

  • 司会、挨拶の担当者を誰にするか?
  • 祝賀会の趣旨に合わせた余興とその手配。
  • プログラムの時間配分に沿ったタイムスケジュール。

進行表や台本を作成する

祝賀会の進行プログラムが決まったら、当日の運営がスムーズに運ぶよう進行表を作成しましょう。司会者用として進行に沿った台本を作っておいても便利です。

~作成のポイント~

  • 進行表には時間配分がわかるようタイムスケジュールを明記する。
  • 台本には司会者の進行に必要なセリフをまとめておく。

出欠管理する

案内状で知らせた返信期日が過ぎたら出欠管理をします。もし返信漏れがあった場合は、電話やメールで丁寧に確認しましょう。

~出欠管理のポイント~

  • 出席者、欠席者、未返信者をリストに分けて対応していく。
  • 開催の1か月前~2週間前には最終人数を確定し会場へ報告する。

来場記念品を用意する

祝賀会の来場者に贈る来場記念品を用意しましょう。記念品の予算は会費制なら会費の1割程度を目安に、招待制なら規模や予算総額にもとづいて確定します。

~記念品選びのポイント~

  • 刻印、名入れが可能なアイテムで記念のしるしに。
  • 主賓にまつわるアイテムで記念の品らしく。
  • 実用性、利便性で来場者に喜ばれるものを。

備品を用意する

祝賀会の開催に必要な備品を準備します。会場で借りられるものが「なにか」についても合わせて確認しておきましょう。

~必要な備品例~

  • 来場者リスト(出欠確認)
  • パンフレット、プログラム表
  • 集金用の金庫、つり銭
  • プロジェクター、スクリーン
  • パソコン、音源

打ち合わせ・リハーサルをする

祝賀会の10日前~1週間前までを目安に主催者側は打ち合わせやリハーサルをしましょう。タイムスケジュールを意識して時間を計りながら進めるのもポイントです。

~ポイント~

  • 担当ごとのチームで、また全体として情報共有しながら進める。
  • リハーサルは可能なら会場を使って行うのが望ましい。

会場の準備をする

祝賀会の前日、あるいは当日の受付時間前に会場の準備を整えます。会場のスタッフや運営代行業者に任せる場合でも、ミスやトラブルを防ぐため、主催者側が最終チェックを行いましょう。

~会場準備のポイント~

  • 会場レイアウトは合っているか。
  • 必要な機材はそろっているか。
  • 音響や照明の動作に問題はないか。
  • フラワースタンドの搬入や設置は済んでいるか。
  • 受付の設置や準備はできているか。
  • 配布物や記念品はそろっているか。

祝賀会にふさわしい服装

祝賀会の服装は主催者とゲストで異なりますので、ぞれぞれ確認しておきましょう。

主催者はフォーマルで控えめな服装

お祝いの場であっても、祝賀会の主催者はホストを務める立場ですからゲストより目立たないようにしましょう。スーツやワンピース、アンサンブルなどフォーマルな装いを意識し、落ち着いた色やデザインで控えめな印象にするのもポイントです。

お祝いらしくするため、女性なら胸元にコサージュ、男性ならポケットチーフを挿すなどのアレンジ程度なら問題ありません。

ゲストは華やかでドレッシーな服装

ゲストが華やかに装うのはマナーでもあります。女性はロングドレスやパーティー向けのワンピース、明るい色のスーツなど。男性はスーツと白いシャツに華やかなネクタイ、ポケットチーフなどを合わせるスタイル。お祝いの場に花を添える意味でもドレッシーな服装が好まれます。

祝賀会によっては礼装・準礼装・正装・準正装などをドレスコードにしてフォーマル度を上げる場合もあります。ゲストが着るものに悩まないよう、服装については案内状に明記しておくと丁寧です。

まとめ

祝賀会は、お祝いのために開催するパーティーです。セレモニーである「式典」や勝利を祝うための「祝勝会」とは意味が違うため、企画するときは混同しないよう注意しましょう。

祝賀会の開催が決まったら、一般的な流れやポイントに沿って準備をすすめるとスムーズです。

ぜひ、本記事で紹介した基礎知識を参考に準備をととのえ、晴れやかな祝賀会を開催してください。