大学で謝恩会の幹事を任され、「どうすればいい?」「ちゃんとやれる?」などとお悩みですか?
そもそもどんなイベントなのか、どんな内容にするのかなど基本的なことがわからないと不安になりますよね。
また、企画や準備、当日の進行など具体的なすすめ方についても詳しく知りたいのではないでしょうか。
本記事では、謝恩会の幹事を初めて務める方でもイベントを成功させられるよう、プログラムの決め方や幹事のやることリストをまとめています。
ぜひ、本記事を活用し、これから実施する謝恩会を思い出深いイベントにしてくださいね!
そもそも謝恩会ってなに?
謝恩会とは、卒業式と合わせて行われるイベントで、お世話になった先生に感謝を伝える場として開催されます。ゼミ単位の小規模なものから学年単位の大規模なものまでありますが卒業生が主体となり、先生を招待してもてなすのは同じ。
謝恩会と似たものに「卒業パーティー」がありますが、卒業パーティーには先生が同席したりしなかったりケースバイケースです。
- 謝恩会……お世話になった先生方へ卒業生から感謝の気持ちを伝える会
- 卒業パーティー……卒業を記念して開かれる卒業生中心の懇親会
謝恩会でのプログラムの決め方
どんな謝恩会にするのかといった内容はプログラムで決めます。幹事はプログラムに沿って必要な準備や進行をすすめるほか、卒業生にも発表して参加を呼び掛けたり、当日のスケジュールとして会場で共有しましょう。
~プログラム例~
- 開会宣言
- 幹事代表挨拶
- 乾杯
- 会食
- 余興(ゲームやレクリエーション)
- 卒業生の挨拶、先生の挨拶
- 閉会宣言
謝恩会のプログラムを決めるときのポイントも押さえておきましょう。
~ポイント~
- みんなで盛り上がれる。
- 先生への感謝を伝える。
- 学生生活の集大成になる。
学生生活最後のイベントで先生への感謝を伝えるのが目的ですから、ただ食べて飲んで騒いで終わりというのではなく、思い出に残る感動的な卒業イベントを企画するのがポイントです。
【事前準備】謝恩会幹事のやることリスト
ここでは、謝恩会までの事前準備に必要な「やることリスト」を紹介していきます。
幹事チームの立ち上げ
謝恩会が学年全体での開催となれば大規模ですから、幹事チームを立ち上げて必要な仕事を役割分担します。メンバーが多すぎると運営そのものが煩雑になるため、卒業生20~30名につき幹事1名程度を目安にしましょう。
~チーム編成の例~
- リーダー、サブリーダー……チームをまとめたり情報共有の要になったり。
- 企画、進行……謝恩会をイメージ通りに作り上げていく。
- 製作、裏方……装飾や成果物、音源、映像などにたずさわる。
- 物品購入……記念品、プレゼント、花、備品などを手配する。
- 予算管理……会費の徴収から会計報告までを担当する。
謝恩会のテーマ設定
お世話になった先生を招待して感謝を伝えるのが謝恩会の目的ですが、よりイベントとして充実するようテーマを設定しましょう。テーマが決まるとプログラム編成や当日の盛り上げに差がつきます。
~テーマ設定の例~
- 先生も卒業生もずっと笑顔で過ごせる謝恩会。
- 先生を泣かせるくらい感動あふれる謝恩会。
- 先生と卒業生が一体になって盛り上がる謝恩会。
予算、会費の決定
謝恩会を開催するにあたり、必要な予算を計上します。予算は卒業生から徴収する会費の総額を目安に組みますので、会費の金額や器家についても検討しましょう。
~ポイント~
- 謝恩会の会費はいくらにするのか。
- 謝恩会の会費はいつ徴収するのか。
- 謝恩会の会費はどこまでを対象に徴収するのか
謝恩会の予算については詳しく書かれた記事がありますので、よければ合わせてお読みください。
日程調整
謝恩会の開催日を「いつ」にするのか日程調整しましょう。
~ポイント~
- まず「先生」や「挨拶をお願いする卒業生」の予定を押さえる。
- いくつか候補日をしぼり、会場の空きを見ながら調整する。
- 日程調整に便利な専用ツールを活用する。例:調整さん
会場選び
謝恩会を学内以外で開催する場合、ふさわしい会場を選びます。卒業シーズンは会場が埋まりやすいので、謝恩会の規模や参加者層に合わせた条件でしぼりながら早めの予約を心がけましょう。
~ポイント~
- 料理ジャンルやアクセス、収容人数など条件をしぼりながら検索する。
- お得なパーティープランや早割プランなど謝恩会向けのプランを探す。
- 飲み放題はノンアル派にも喜ばれるラインナップなのか確認する。
- 参加人数と会場キャパのバランスに問題はないか確認しておく。
- ゲームや出し物に必要な音響・映像などの機材が使えるかも確認する。
会場の下見
謝恩会の当日になって「こんなはずじゃ……」と後悔しないよう、できるだけ会場は下見をしておきましょう。
~ポイント~
- 主要駅や最寄り駅からのアクセスはどうか。
- 駐車場はあるか、駐車料金はいくらか。
- 会場内の動線やレイアウトは問題ないか。
- 店内禁煙の場合、喫煙コーナーの設置があるか。
- 音響や映像などに必要な機材は利用できるか。
- 搬入物を会場に持ち込むときの搬入経路はどうか。
会場の予約
イメージや希望に合う会場が決まったら、予約条件や利用規約などを確認してから予約しましょう。
~ポイント~
- 利用可能時間は?
- 人数の変更可能なのはいつまで?
- 開始時間の変更や延長はできる?
- 仮予約やキャンセルはいつまで可能?
- 席のレイアウトは変更できる?
- 最低保証料金は必要?金額は?
挨拶の依頼
謝恩会ではプログラムに沿って卒業生や先生からも挨拶してもらうのが一般的。どの挨拶を誰にお願いするかも決め、対象者には持ち時間を伝えた上で事前に依頼しておきましょう。
~ポイント~
- 開会宣言……幹事or司会者
- 幹事代表挨拶……幹事代表者
- 乾杯の挨拶……幹事代表or卒業生代表or先生代表
- 卒業生の挨拶……卒業生代表(数名でも可)
- 先生の挨拶……先生全員
- 閉会の挨拶……幹事or司会者
余興・出し物の企画
謝恩会では余興・出し物で先生を楽しませましょう。たとえば「みんな」をテーマに企画すると卒業イベントにふさわしい企画が浮かぶのではないでしょうか。余興・出し物を実施する場合、会場の利用時間が2時間予定なら15分から30分の時間配分を目安に組むと進行がスムーズです。
~ポイント~
- みんなで盛り上がれるもの。
- みんなの感動をさそうもの。
- みんなで大笑いできるもの。
謝恩会の余興・出し物については詳しく書かれた記事がありますので、よければ合わせてお読みください。
記念品、花束、プレゼントの手配
謝恩会では先生や卒業生に贈り物をするのが一般的。予算の範囲で収まるよう検討しながら必要なものを手配しましょう。
~ポイント~
- 先生への感謝のしるしとして花束やプレゼントを贈る。
- 卒業生に卒業記念として記念に残るアイテムを贈る。
謝恩会の記念品については詳しく書かれた記事がありますので、よければ合わせてお読みください。
景品の用意
謝恩会の余興でビンゴやゲームをする場合は景品を贈呈すると盛り上がります。およその参加人数が確定してから予算に見合った適切な数の景品を用意しましょう。
~ポイント~
- 景品数は参加者の3割程度を目安にする。
- 全体の2~3割程度を豪華景品して1等、2等、3等とランクをつける。
- 豪華景品以外のサブ景品は参加賞や特別賞などとして盛り上げてもよい。
招待状の作成、発送
謝恩会の詳細が決まったら先生や卒業生に招待状を送りましょう。
~ポイント~
- 招待状は謝恩会の2か月には発送する。
- 招待状には出欠の返信方法を明記する。
- フォーマルな謝恩会には紙の招待状を作成する。
謝恩会の招待状については詳しく書かれた記事がありますので、よければ合わせてお読みください。
出欠管理と最終報告
招待状で通知した期日が過ぎたら出欠をまとめて会場へ最終報告をしましょう。
~ポイント~
- 欠席の場合の会費徴収をどうするか決めておく。※全額か一部負担かなど。
- 出欠管理に便利な専用ツールを使う。例:調整さん
席次表の作成
どこに誰が座るか、座席の位置がわかる席次表があると当日の案内がスムーズです。出入口に近いのが「下座」、出入口から遠いのが「上座」ですので、特に先生の席を決めるときは気をつけましょう。
~ポイント~
- 先生が複数参加する場合は「上座」の中央から立場順で配席する。
- 卒業生は学部やゼミでわけたり、指定なしの自由席にしたり。
- 幹事が数名の場合は「上座」と「下座」に分かれて会をサポートしてもよい。
進行表の作成
謝恩会当日はタイムスケジュールがわかる進行表を作成し共有すると進行がスムーズ。役割や担当者名も合わせて明記しておくと当日の連携にも便利です。
~進行表の例~
- 開会宣言(5分)13:00~13:05
- 幹事代表挨拶(5分)13:05~13:10
- 乾杯・食事・歓談(30分)13:10~13:40
- 余興・出し物(25分)13:40~14:05
- 食事・歓談(30分)14:05~14:35
- 会計(5分)14:35~14:40
- 卒業生の挨拶・先生の挨拶(15分)14:40~14:55
- 閉会宣言(5分)14:55~15:00
打ち合わせ、リハーサル
謝恩会の直前には打ち合わせやリハーサルをしてミス・トラブルを最大限に防ぎましょう。
~ポイント~
- タイムスケジュールに沿って進行できそうか。
- 音響や映像などの機材は問題なく使えるか。
- それぞれの持ち場や役割を共有できているか。
【当日進行】謝恩会幹事のやることリスト
ここでは、謝恩会当日の進行に必要な「やることリスト」を紹介していきます。
会場準備、受付、案内
謝恩会当日は会場の準備を整えたり、参加者の受付をしたり、会場についての案内をしたり。学外の会場を利用する場合は、どれくらい前から使用できるか確認も必要です。当日になってバタバタしないよう、必要なものも事前に揃えておきましょう。
~ポイント~
- 会場装飾、案内看板をどうするか決める。
- パンフレットなどの配布物を手配しておく。
- 受付で参加者の出席を確認する。
- 当日徴収の場合は参加費を徴収する。
- 先生をお迎えし、席まで案内する。
タイムスケジュールに沿った進行
開始時間になったら会場を落ち着かせ謝恩会を始めます。遅れてくる参加者のため受付は空っぽにせず、幹事メンバーが待機しておきましょう。
- 開会宣言……参加へのお礼、自己紹介、盛り上げのひとことで始める。
- 乾杯の挨拶……全員の乾杯用ドリンクを準備しておく。
- 食事・歓談……全体の様子を見ながら担当者は撮影も行う。
- 余興・出し物……いったん会場を落ち着かせてから参加者を盛り上げる。
- 卒業生の挨拶……卒業生代表を紹介し登壇してもらう。
- 先生の挨拶……先生を紹介し登壇してもらう。
- 閉会宣言……参加へのお礼、振り返りのひとことを添えてお開き。
- 退店……忘れ物がないか確認し、会場の方にお礼を述べ、すみやかに退店する。
ここからは謝恩会の司会進行に使えるセリフを紹介しますので台本作りにご活用ください。
■開会宣言
「皆さまお待たせいたしました。本日は○○大学○○年度謝恩会にご参加いただきありがとうございます!本日司会進行を務めます、○○○○(氏名)です。よろしくお願いします!」
■乾杯の挨拶
《挨拶の前》
「それでは、○○さんに乾杯の音頭をお願いしたいと思います。
皆さま、グラスのご用意をお願いします。○○さん、よろしくお願いいたします。」
《挨拶の後》
「○○さん、ありがとうございました!」
幹事が乾杯をする場合は開会宣言からスムーズに乾杯に移りましょう。
■食事・歓談
「皆さま、お食事もととのっていますので、どうぞ、ごゆっくりお楽しみください!」
■余興・出し物
《余興前》
「皆さま、お待たせいたしました。ここからは○○(余興)の時間です!」
《余興後》
「○○さん、○○さん、楽しいひとときをありがとうございました。それでは、まだまだお食事も残っていますので、お時間の許す限りおくつろぎください。」
■卒業生、先生の挨拶
《挨拶の前》
「それでは、○○さんor○○先生から一言お願いしたいと思います。
○○さんor○○先生、よろしくお願いいたします。」
《挨拶の後》
「○○さんor○○先生、ありがとうございました!」
■閉会宣言
「皆さま、本日はお集まりいただき、誠にありがとうございました。最後になりましたが○○大学のますますの発展と、先生方、卒業生のご健勝をお祈りし、これにて○○大学○○年度謝恩会を、お開きとさせていただきます。どなた様もお忘れ物がないかご確認のうえ、どうぞ気をつけてお帰りください。ありがとうございました。」
写真・動画の撮影
謝恩会の様子を写真・動画に撮っておくと思い出として残せますし、参加できなかった卒業生にも共有できます。予算や幹事メンバーのスキルに合わせ、どのような方法で撮影・編集するのかも事前に決めておきましょう。
~ポイント~
- 幹事チームの中からメンバーを選出するのか。
- 在校生に撮影を依頼して幹事チームで制作するのか。
- 撮影から制作までプロに依頼するのか。
【当日以降】謝恩会幹事のやることリスト
ここでは、謝恩会当日以降の「やることリスト」を紹介していきます。
先生へのお礼
謝恩会の終了後は先生へメールか手紙でお礼をしましょう。お礼のタイミングは当日以降の1週間以内が目安です。
~ポイント~
- 謝恩会の出席へのお礼
- 謝恩会の振り返り
- 先生へのひとこと
- 今後の挨拶
- 締めくくり
■お礼メールの例文■
件名:謝恩会のお礼
いかがお過ごしでいらっしゃいますか?
さて、先日は「○○謝恩会」に出席いただききまして誠にありがとうございました。
○○先生(先生方)のおかげで思い出に残る特別な時間となりました。
○○先生も卒業生の○○を楽しまれているご様子で何よりでございました。
お別れはさびしいですが、またお目にかかれることを楽しみにしております。
どうぞお元気でお過ごしください。
略儀ながらメールにてお礼申し上げます。
■お礼状の例文■
拝啓 ○○の候
いかがお過ごしでいらっしゃいますか?
さて、先日は「○○謝恩会」に出席いただききまして誠にありがとうございました。
○○先生(先生方)のおかげで思い出に残る特別な時間となりました。
○○先生も卒業生の○○を楽しまれているご様子で何よりでございました。
お別れはさびしいですが、またお目にかかれることを楽しみにしております。
どうぞお元気でお過ごしください。
略儀ながら書中にてお礼申し上げます。
敬具
写真や映像の共有
謝恩会の大切な思い出として当日の写真や動画を共有しましょう。
~ポイント~
- 画像や動画を編集して参加者に配布する。
- 希望者には別予算でフォトブックを作成する。
- 誰でも閲覧できるようアクセス制限付きでWEB上に公開する。
引継ぎ資料の作成
翌年以降の謝恩会で生かせるよう、次の幹事に引き継ぐための資料を作成します。
~ポイント~
- 幹事チームのメンバー構成
- それぞれの役割と分担した作業
- 予算、会費、収支など
- 運営に協力してもらった各業者
- 謝恩会のテーマ、改善点、良かった点
- 当日のプログラムに沿った各場面での様子
会計処理・収支報告
会計処理をすませたら、卒業生や大学に収支報告を行いましょう。
~ポイント~
- 収入と支出を照らし合わせて金額を集計する。
- 収入と支出の内訳がわかるようまとめる。
まとめ
突然、大学から謝恩会を任されてもポイントを踏まえながらすすめると失敗せずに運営できます。まず謝恩会が「先生へ感謝を伝える場」であるという目的にもとづき、どんな謝恩会にしたいのかテーマ設定するところから始めましょう。
謝恩会が大規模な場合はチームを立ち上げて役割分担するのも運営の大切なポイント。適材適所で得意分野が生かせるようメンバーを編成し、できれば謝恩会のクオリティにもこだわりましょう。
本記事では、謝恩会にふさわしいプログラムの決め方、事前準備から活用できる具体的なリストも紹介しました。ぜひ、本記事を参考にしながら学生生活最後の卒業イベントを思い出深いものにしてくださいね!