入社までの期間に内定者懇親会を開催する会社は増えていますが、いざ実施するとなると「内容」に悩みますよね。

「どのように内定者をフォローするか」「どうすれば内定辞退を防げるか」など、具体的な対策も課題ではないでしょうか。

そこで本記事では、内定者懇親会を成功させるため以下について紹介します。

  • 内定者懇親会に取り入れたい内容
  • 内定辞退を防ぐための大切なポイント
  • 内定者懇親会におすすめの企画

ぜひ、本記事を参考にして内定者懇親会の準備にお役立てください。

内定者懇親会の目的

内定者懇親会の内容を考える前に、ここで内定者懇親会の目的を改めて確認しておきましょう。

    1. 内定者の不安をケアする。
    2. 内定者同士の交流を図る。
    3. 会社の雰囲気を知ってもらう。
    4. 入社後のイメージをわかせる。

これらの目的からわかるのは「内定者へのフォロー」=「内定者のモチベーションアップにつなげる」ということ。内定者懇親会をコミュニケーション活性の場にしたり、内定者と会社との距離を縮める機会にしたり、目的に沿った内容を企画しましょう。

内定者懇親会の主な内容

ここでは、一般的な内定者懇親会で取り入れられている主な内容を紹介します。

  • 自己紹介
  • グループワーク
  • 先輩社員との交流
  • 社内見学
  • 質疑応答
  • 食事会
  • オンライン懇親会
  • 社内イベントへの招待

それぞれ詳しく見ていきましょう。

自己紹介

通常は内定者が名前や学校名、専攻、所属サークルなどを発表します。内定者の個性を引き出すため、趣味や特技、体験談などプライベートなテーマを加えてもよいでしょう。内定者の緊張をほぐすアイデアとして、ゲーム形式での自己紹介でアイスブレイクを取り入れる方法もあります。

~さらに工夫するなら~

  • 先輩社員からの自己紹介、先輩社員同士の他己紹介を加える。
  • 参加者のプロフィールを作成しておき共有する。
  • インタビュー形式で行うと自己紹介が苦手な内定者のハードルが下がる。

グループワーク

内定者をグループに分け、グループで課題に取り組んでもらいます。内定者同士の交流や理解を深めるのに効果的です。会社や仕事にまつまるテーマを設定すると企業理解や仕事理解も深まりますし、入社へのモチベーションアップにもつながります。

~さらに工夫するなら~

  • ディスカッション形式でコミュニケーションを活性化。
  • グループ対抗のゲーム形式でグループの結束力アップ。

交流会

内定者同士あるいは内定者と先輩社員の活発なコミュニケーションを図るのが交流会。座談会からゲームまで多様な方法があります。グループワークよりもカジュアルな雰囲気で楽しめるよう企画しましょう。

~さらに工夫するなら~

  • お互いへの理解が深まるようなテーマを設定。例:共通点探し
  • テーマが書かれたカードを引いてテーマトークを展開する。
  • 会社に関連する体験教室を開催して先輩にレクチャーしてもらう。

社内見学

内定者は「どのような会社で働くのか」を気にしていますから、社内見学を通じて職場環境に触れてもらいます。本社や直営工場、直営店舗などがあるなら、見学ツアーを組んでじっくりと案内してもよいでしょう。

~さらに工夫するなら~

  • 先輩社員に案内を任せる。
  • 現場で従業員を何名か紹介する。
  • クイズ形式で楽しく企業理解を深めてもらう。
  • 見学パートごとに質問タイムを設ける。

質疑応答

会社のこと、仕事のこと、社風についてなど、内定者の関心や疑問に答える時間を設けます。内定者と年齢の近い先輩社員にも何名か参加してもらい、ワークライフバランスやキャリアアップについての質問を受け付けると内定者が入社後の自分をイメージしやすくなります。

~さらに工夫するなら~

  • 内定者が書いた質問カードを先輩社員が引いて答える。
  • 内定者懇親会の後も質問できるよう専用のメールやLINEで対応する。

食事会

別の企画と組み合わせたり、バーベキュー懇親会を開催したり、食べながらの交流でコミュニケーションを重視します。入社前に先輩社員との親睦を深めておくと入社後の人間関係が築きやすく、職場にも早くなじめるようになるからです。

~さらに工夫するなら~

  • 席替えでコミュニケーションを活発にする。
  • カジュアルな服装をドレスコードにしてくつろいでもらう。

オンライン懇親会

オンライン懇親会は、遠方に居住している内定者でも参加しやすいメリットがあります。WEB会議ツールの準備は必要ですが、自己紹介や質疑応答だけでなく、オンラインならではのゲームやグループワークも可能です。

~さらに工夫するなら~

  • 飲食OKの飲み会スタイルで楽しんでもらう。
  • 大人数の場合はグループ分けで交流を深める。
  • 先輩社員にも参加してもらって親睦を深める。

社内イベントへの招待

内定者を中心にした懇親会ではなく、通常の社内イベントに内定者を招待してコミュニケーションを図ります。先輩社員同士の交流から職場の雰囲気がうかがえたり、幅広いポジションの先輩社員と話せたり、内定者にとっては会社との距離を縮める好機となるでしょう。

~さらに工夫するなら~

  • 内定者がなじめるよう先輩社員を案内役として付ける。
  • イベントによってはお互いがニックネームで呼び合う。
  • 参加意識を高めるためSNS風の気軽な体験レポートを作成してもらう。

内定辞退を防ぐ内定者懇親会のポイント

ここでは、内定辞退を防ぐための大切なポイントを紹介します。

  • 内定者が楽しめる雰囲気をつくる
  • 席順やグルーピングは相性を考える
  • 先輩社員の声や存在を活用する
  • 内定者懇親会を継続的に実施する
  • 入社までの準備を具体的に示す

内定者懇親会の参加をきっかけに内定辞退につながるケースもあるため、しっかり確認しておきましょう。

内定者が楽しめる雰囲気をつくる

内定者懇親会が内定者に寄り添うものでなければ、内定者の不安をケアすることも入社後に期待を感じてもうこともできません。堅苦しい雰囲気にならないよう工夫して、内定者が楽しめるものにしましょう。

たとえば早い段階のアイスブレイクで場をなごませたり、グループワークではゲーム性を高めたり、ムードメーカーの先輩社員に参加してもらったり。さらに、映像をつかって飽きさせないようにしたり、体を動かすアクティブ要素を取り入れたり、イベント感をアップさせるのも効果的です。

席順やグルーピングは相性を考える

内定者が自分と違いすぎるタイプの内定者に接すると、「この人のようにはなれない」「この人と上手くいく自信がない」とナーバスにとらえてしまう場合があります。また、リーダータイプ同士をマッチングさせると、お互いにマウントを取ろうして衝突しかねません。

内定者の席順やグループを決めるときは、性格や行動特性などから「相性」を考えましょう。内定者懇親会の前に適性検査を実施していれば参考になりますし、もし実施していなければ内定者懇親会を機に実施してもよいでしょう。

先輩社員の声や存在を活用する

内定者が入社後の自分をイメージしやすいよう、先輩社員に協力してもらいましょう。先輩社員への質問や先輩社員との座談会はもちろん、先輩社員の仕事ぶりや体験談、キャリア軌跡などのドキュメンタリーを届けるのも有効です。

内定者が抱える不安も、少し先の将来像がはっきりすることで期待に変わりやすくなります。もし、内定者が「この人みたいになりたい」と、お手本になるような先輩に出会えれば仕事への意欲も高まるでしょう。

内定者懇親会を継続的に実施する

内定者懇親会を継続的に実施し、内定者との距離を縮めていきましょう。たとえば、「別の会社から内定をもらっていて入社を迷っている」「一回の懇親会だけでは入社へのモチベーションが高まらなかった」「まだ就職活動をつづけたい」などの本音をもつ内定者が内定辞退するのを防ぐためです。

また、せっかく懇親会で意欲的になった内定者も、メールや書類だけの簡素なフォローでは入社までの間に心変わりする可能性があるため丁寧なフォローが求められます。懇親会の継続的な実施によって会社への理解が深まるほか、より多くの先輩社員とも交流できて入社後のイメージが鮮明になるでしょう。

入社までの準備を具体的に示す

内定者には入社までに「なにをしておいてほしいか」を示しましょう。課題や社会人としての心得、取得しておくといい資格など、具体的な準備に取り組めば入社までにステップアップできますし、不安や迷いも生じにくくなります。

具体的な準備は内定者懇親会までにピックアップしておき、入社までのスケジュールと合わせて通知するとよいでしょう。もちろん一方的に与えるだけではなく、メールで状況を聞いてあげたり、内定者向けの社内報を発信したり、こまめにフォローするのも大切です。

内定者懇親会を楽しく!おすすめ企画3選

ここでは、内定者懇親会におすすめの企画を紹介します。

  • アイスブレイク自己紹介
  • 先輩社員の密着映像
  • 体験教室グループワーク

ぜひ、参加者層や自社の業界に合わせてカスタマイズし、内定者懇親会にご活用ください。

アイスブレイク自己紹介

内定者懇親会での自己紹介もゲーム性をもたせるとアイスブレイクとして取り入れられます。いくつかのパターンを紹介しますので、通常の自己紹介に加えてみてはどうでしょうか。

~アイスブレイク自己紹介の例~

  • 「私を漢字1文字で表すなら○です」と理由も説明する。
  • 「最近のマイブームは○○です」とその理由も自分らしく語る。
  • 「こう見えて○○です」と自分の意外な一面を告白する。
  • 自己紹介に「嘘」を1つまぎれさせて嘘を全員に当ててもらう。
  • 自分以外の参加者の自己紹介から共通点を探してビンゴゲームを行う。

先輩社員の密着映像

座談会や質疑応答も効果的ですが、先輩社員の仕事ぶりを映像で見せるのも有効です。映像によるスター性が内定者の興味関心を高め、実際に先輩社員が登場したときのインパクトも強めます。

密着映像を制作する方法には、「スマホの編集アプリを利用する」「動画制作マッチングアプリを活用する」「動画制作会社に依頼する」などがあります。

~密着映像を制作するときのポイント~

  • 仕事ぶりに加えて、入社当時の様子や将来ビジョンなども語ってもらう。
  • 同僚や上司から先輩社員への評価がわかるようコメントをもらう。
  • ロールモデルになりやすいよう数名の多様な先輩社員に登場してもらう。

体験教室グループワーク

自社の製品、サービス、業界にかかわるテーマで交流会も兼ねた「体験教室」をグループワークとして取り入れましょう。会社への理解が深まるほか、活発なコミュニケーションや入社へのモチベーションアップにつながります。

~体験教室グループワークの例~

  • 食品業界なら料理教室。
  • サービス業界なら「お客様」を体験。
  • 業界を問わずテーマに沿った社内報の制作。

内定者懇親会の企画についてはこちらの記事もご参照ください。

【人事担当者必見】内定者懇親会を盛り上げるための面白い企画・レクリエーションをご紹介

まとめ

内定者懇親会では内定者へのフォローを目的に内定者のモチベーションアップにつなげる工夫をしましょう。

内定者懇親会に取り入れられている内容を参考に、自社ならではのプログラムを企画してはどうでしょうか。

  • 自己紹介
  • グループワーク
  • 先輩社員との交流
  • 社内見学
  • 質疑応答
  • 食事会
  • オンライン懇親会
  • 社内イベントへの招待

内定者懇親会で気をつけたいのは内定辞退を防ぐための対策です。

  • 内定者が楽しめる雰囲気をつくる。
  • 席順やグルーピングは相性を考える。
  • 先輩社員の声や存在を活用する。
  • 内定者懇親会を継続的に実施する。
  • 入社までの準備を具体的に示す。

入社までの時間で内定者を不安にしたり内定者の意欲を低下させたりしないよう、ぜひ、内定者懇親会後のフォローも徹底してください。