自社の商品やサービスを広く周知させるためPRイベントの開催を検討しているなら、目的や企画ポイントを押さえておきたいところ。

よくあるPRイベントの種類も見ていきながら、どのようなスタイルでイベントを実施するかについても考えましょう。

本記事では、PRイベントを成功させるための企画ポイントを解説するとともに、実際に行われたイベントの成功事例も紹介します。

ぜひ、本記事を参考に、これからの戦略立てやイベント準備にお役立てください。

PRイベントとは?その目的は?

PRイベントとは、商品やサービスの販売促進を目的に実施されるプロモーション活動です。単なるプロモーションとの違いは、利用者や消費者らとのコミュニケーションを重視している点。PRイベントにユーザーを巻き込ことで情報の拡散を狙ったり、ユーザーとの持続的な関係性を構築したりするのが特徴です。

また、記者発表会などのプレスリリースもPRイベントと位置付けられる傾向がありますが、あくまでもメディアに向けたものなので一方的な発信にとどまります。ユーザーとの直接的な関わりを目的としたPRイベントとは別物として考えましょう。

よくあるPRイベントの種類

ここでは、よくあるPRイベントの種類を見ておきましょう。

~PRイベントの主な種類~

  • 展示会、体験会
  • 優待セール、即売会
  • レセプションパーティー
  • セミナー、講演会
  • コンテスト、アワード
  • ワークショップ
  • ユーザー交流会、感謝祭
  • カンファレンス

自社の商品やサービスの宣伝、販売促進には、どのスタイルのPRイベントが効果的なのか、また、どのようなターゲットとどのような関係を構築したいのかも含め、自社の企画にふさわしいPRイベントを開催しましょう。

PRイベントを企画する10のポイント

ここでは、PRイベントを成功させるための企画ポイントを紹介します。

  • イベントのターゲットを具体化する
  • イベントの目的とゴールを設定する
  • 目的や予算に合わせてイベントの種類を決める
  • 競合他社が行ったイベントの事例を参考にする
  • ターゲットに刺さりやすいイベント名を考える
  • イベントの開催時期はターゲットに合わせる
  • イベントの内容に独自性が出せるよう工夫する
  • イベントの告知や集客はターゲットに合わせて行う
  • イベント会場は必ず下見をしてから決める
  • イベントの参加者にお得なメリットを提示する

それぞれ見ていきましょう。

イベントのターゲットを具体化する

どのような対象者に向けてPRイベントを打つのか、ターゲットとなるペルソナ(仮想の人物像)を具体的にイメージましょう。ターゲットが漠然としたままだと企画がぼやけますし、いくら盛大にイベントを行っても好ましい結果につながりません。

例:自社製品を購入したばかりの30代独身男性。東京都内の企業に勤務し、X(旧Twitter)を利用している。
例:自社製品を3年ほど愛用している40代既婚女性。Instagramアカウントをもっていて定期的に投稿も行っている。
例:自社製品と他社製品を比較検討中の20代独身男性。友人とLINEでのやり取りを頻繁に行っている。

さらに、最終学歴や年収、家族構成、住居状況、趣味、週のルーティーン、現在の悩み(自社に関わる分野での悩み)、悩みを解決して叶えたい未来などの詳細な人物像を設定すると、ターゲットのニーズにささる効果的な企画が立案できるでしょう。

イベントの目的とゴールを設定する

まず、イベントによって「なにを得たいのか」「どのような成果を生みたいのか」という目的を明確にします。そして、最終的にどのようなターゲットに「どう行動してほしいのか」というゴールを設定しましょう。

こうして目的とゴールを明確にしたら、両方を達成させるための具体的な戦略を立てます。たとえば目標を数値化したり、ゴールまでのロードマップを作成したりして、プロジェクトを具体化していきましょう。

目的や予算に合わせてイベントの種類を決める

PRイベントの目的や予算が決定したら、どのようなイベントのスタイルで開催するのかを決めましょう。

ターゲットへの効果的なプロモーションを考えたとき、体験会やワークショップなどで商品に触れてもらうのがいいのか、あるいはユーザー交流会やレセプションパーティーで新商品を大々的に発表するのがいいのかなど。

また、費用対効果も加味しながら予算とのバランスを調整しましょう。

競合他社が行ったイベントの事例を参考にする

競合他社のPRイベントには企画のヒントがたくさん。参考になるアイデアやノウハウを生かして独自のイベントを企画しましょう。

例:自社の目的に合うプロモーションの方法は?
例:キャンペーンらしくなるキャッチーなポイントは?
例:イベントに参加して得られるユーザーの特典は?

競合他社の事例をそのまま自社に置き換えるだけではユーザーに響きません。まずはターゲットや目的、ゴールを具体的に設定してから、「どうすれば思い描いているような行動を起こしてもらえるか」というテーマに沿って使える要素だけそ抽出しながら企画をすすめましょう。

ターゲットに刺さりやすいイベント名を考える

イベント名を見たターゲットに関心をもってもらえるような、刺さりやすいキーワードを使ってタイトルを考えましょう。

例:新商品、新サービス…「待望の○○!」「新感覚○○体験」「○○初公開!」
例:お得な特典…「○○限定!」「総勢○○名様に」「参加者全員に」
例:参加条件…「参加無料」「○○するだけ!」「メンバー限定!」

文字数やキャッチーさもタイトルの重要な要素ですが、とにかく「なにをテーマしているのか」「参加するメリットはなにか」「参加へのハードルはどうか」など、イベントの中身ができるだけターゲットに伝わるように工夫しましょう。

イベントの開催時期はターゲットに合わせる

イベントの開催時期はターゲットが参加しやすいタイミングに合わせます。たとえばターゲットが新社会人の場合、新生活や引っ越しをテーマにするなら「3月」がベストですし、初任給がテーマなら「4月」から「5月」がベストです。

さらにターゲットへのプロモーション効果を高めるため、季節感やトレンド傾向なども盛り込みながらイベントを企画していきましょう。

イベントの内容に独自性が出せるよう工夫する

より多くのターゲットにイベントへの参加をうながすには、競合他社のPRイベントとの差別化が必須です。つい競合他社の内容を真似したくなるかもしれませんが、それではターゲットにとって新鮮味がなく参加動機を弱めてしまいます。

独自性を出して差別化を図るため、競合他社のイベントに限らず類似のイベントを徹底的に検証して類例のない企画を立案しましょう。

たとえば、参加条件をあえて厳しくして参加の前段から「参加したい」と思わせるようなレア感を出したり、参加者にしか詳細がわからないようイベントの秘匿性を高めたりなど。とにかくターゲットに響くような独自性のある工夫が大切です。

イベントの告知や集客はターゲットに合わせて行う

どれだけ企画の優れたPRイベントでも告知や集客の方法がマッチしなければターゲットに届きません。イベントの告知や集客はターゲットに合わせて効果的に行いましょう。

■ターゲットに合わせた方法の一例

  • スマホ世代…LINE、X(旧Twitter)、InstagramなどのSNS
  • PC主体の中高年世代…ポータルサイトの広告媒体
  • スマホやPCの利用が少ない高齢者…テレビ、雑誌、新聞
  • 地域住民…地元タウン誌、地方テレビ局、ケーブルTV

イベント会場は必ず下見をしてから決める

かたまった企画が問題なく機能するかを検証するため、また、来場してくれる参加者に楽しんでもらうため、イベントの会場は下見をしてから決めましょう。

■イベント会場の下見ポイント

  • 会場へのアクセスはどうか
  • 開催時間に支障はないか
  • 設備は問題なく使用できるか
  • 備品や機材の搬入はどうするのか
  • 展示空間やステージなどは使いやすいか
  • トイレや喫煙所などの施設はどうか
  • 対象者によっては授乳やオムツ交換も可能か

イベントの参加者にお得なメリットを提示する

イベントの参加者にお得なメリットを提示すると集客効果が上がります。たとえば来場者全員に記念品や限定品をプレゼントしたり、Webでのエントリーや早期予約に割引特典を付けたりなど、イベントの内容やターゲットに合わせて喜ばれるメリットを考えましょう。

PRイベントの成功事例に学ぶ!面白いアイデア5選

ここでは、実際に開催されたPRイベントの成功事例を紹介しますので、自社の商品やサービスに置き換えて企画の参考にしてください。

マクドナルドが有名人を起用したPRイベント

大手ファストフードチェーンの日本マクドナルドは有名ダンス&ボーカルグループとコラボし、期間限定販売の商品PRを展開。TVCMで代表曲の替え歌を流すほか、X(旧Twitter)においてはリプライでマックカード1,000円分が当たるキャンペーンを実施しました。

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鳥取県知事がダジャレで温泉をPR

鳥取県は米ニューヨークの日本総領事公邸において県の特産品や温泉旅行などをPRするイベントを開催。また、全国的にPR上手なことで知られる鳥取県の平井伸治知事は、

『鳥取にはカニや梨などおいしいものがたくさんある。温泉もあるのでニューヨークからぜひ入浴に来てほしい』

引用:産経新聞

と得意のダジャレを交えてアピールしました。

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使われていない駅のホームで熱燗の魅力をPR

JR両国駅の使われていないホームで開催されたのは、こたつで温まりながら熱燗とおでんを楽しむ「熱燗ステーション」というPRイベント。赤ちょうちんが灯る昭和の雰囲気たっぷりな空間では、多くの参加者が電車の往来を横目に“おつ”なひとときを満喫していました。

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企業とインフルエンサーが共同でPRイベントを実施

「見て、触れて、『本音』でPRする」 をテーマに企業×インフルエンサーの展示会を開催するインフルエンサー万博。「第7回インフルエンサー万博 in 神戸」においては、完全招待制&会場非公開で「KOBE HALLOWEEN NIGHT FES」を実施しました。

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福岡県がワークショップや試飲会で銘茶をPR

福岡県は、古くから親しまれている銘茶を発祥600年の節目に改めてプロモーション。「福岡の八女茶を味わう ~お茶を淹れる楽しみを体験してみませんか~」と題したPRイベントを実施し、首都圏の日本茶専門店や日本茶カフェ、都内の商業施設などとのコラボでワークショップや試飲会を行いました。

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まとめ

PRイベントは商品やサービスの販売促進を目的に実施されるプロモーション活動で、ユーザーを積極的に取り込んで展開するのが最大の特徴です。PRイベントには展示会や体験会のほか、ワークショップ、レセプションパーティー、カンファレンス、ユーザー交流会など多彩なスタイルがあります。

イベントを企画するときは、いつ、どのような形で、どのようなターゲットに向けて実施するのか、ターゲットにはどのように行動してほしいのか、目的やゴールを具体的に設定することが大切です。さらに、予算と費用対効果のバランスを考えたり、競合他社の事例を参考にしながら独自性を出したり、ターゲットに合わせた時期や告知、集客、メリットなどを検討したり。

本記事で紹介した「PRイベントを企画する10のポイント」も参考に、ぜひ、これからの準備にお役立てください。