プロジェクトの発足とともに実施される決起会・キックオフミーティング。ビジネスの場だけでなく、さまざまな社会活動の場でも開催されています。

これから決起会・キックオフミーティングを予定していて「どうすればうまくいく?」と悩まれているなら、ぜひ、本記事を活用してください。

本記事では、初めての実施でも決起会・キックオフミーティングが成功するよう、準備から当日の進行までのポイントを紹介します。

決起会・キックオフミーティングとは


サッカーなどで用いられる「キックオフ」=「試合開始」の意味から、新しいプロジェクトをスタートさせるときに行う会議や集会を「キックオフミーティング」といいます。似たような意味をもつのが「決起会」です。

決起会もキックオフミーティングも目的は同じで、プロジェクトの概要発表、メンバー同士の顔合わせ、チームでのベクトル合わせや情報共有、メンバーのモチベーションアップなどのため実施されます。

決起会・キックオフミーティングの流れ


ここでは、よくある決起会・キックオフミーティングの流れを確認しておきましょう。大きく分けて2つのパターンがありますので企画の参考にしてください。

~懇親会と分ける場合~

  1. 開会の挨拶
  2. 自己紹介
  3. プロジェクト概要
  4. 質疑応答
  5. 情報共有
  6. 締めの挨拶
  7. 懇親会

懇親会は飲食を楽しみながら交流を図るイベントです。たとえば決起会・キックオフミーティングを二部制にすると、会議や集会と懇親会を分けて実施できます。プロジェクトの詳細な周知を重視する場合は懇親会と分ける方がよいでしょう。

~懇親会を兼ねる場合~

  1. 開会の挨拶
  2. 自己紹介
  3. プロジェクト概要
  4. 質疑応答
  5. 食事・歓談
  6. 情報共有
  7. 締めの挨拶

決起会・キックオフミーティングを飲食しながら行うパターンもあります。まずメンバーでの顔合わせや交流を重視したい場合は懇親会と兼ねてもよいでしょう。メンバーの団結力を固めてから具体的にプロジェクトをすすめる場合のパターンです。

決起会・キックオフミーティングを成功させるポイント


決起会・キックオフミーティングを成功させるため、当日までの流れに沿って大切なポイントを押さえておきましょう。

  • 開催スタイルを決める
  • 開催日時を決める
  • 実施会場を決める
  • 必要な資料を作成する
  • 当日の進行に沿って準備する
  • アイスブレイクを考えておく
  • 懇親会を活用して交流を深める

それぞれ詳しく解説します。

開催スタイルを決める

決起会・キックオフミーティングには主に3つのスタイルがありますので、目的や参加者層に合わせて選びましょう。

対面式

メンバーが同じ会場に集まって行うのが対面式。決起会・キックオフミーティングの目的の一つである「顔合わせ」のためには最適なスタイルです。また、チームの団結力を高めるのにも適します。

オンライン会議

ビデオ通話やWebツールを使って行うのがオンライン会議。会場の設置が不要で、在宅勤務やリモートワークのメンバーでも参加しやすいスタイルです。接続可能人数はツールによって異なりますが、大人数の場合は映像や音声が乱れたり、接続が途切れたりとシステムが不安定になる可能性があるため、少人数での実施に向いています。

チャットツール

大人数やリモートでの実施に便利なチャットツール。テキストベースで情報を共有したり、スケジュールを確認したりするスタイルです。顔合わせができないためチームに一体感が生まれにくいのがデメリット。場合によっては別の日に対面式やオンライン会議と併用してもよいでしょう。

開催日時を決める

決起会・キックオフミーティングはプロジェクト始動の1週間前を目安に開催しましょう。早過ぎるとプロジェクト始動までに時間が空いてメンバーのモチベーションが下がります。

直前だとコミュニケーション不足でチームワークが発揮しづらくなる可能性があります。できるだけメンバー全員が参加できる日を優先し、全員がそろわない場合はメンバーが最も多く参加できる日を設定しましょう。

実施会場を決める

決起会・キックオフミーティングの規模やスタイルに合わせて実施会場を決めましょう。

少人数なら会議室やレンタルスペース

社内での実施なら会議室が適切ですが、会議室がない場合やビジネス以外の活動なら貸し会議室、レンタルスペースなどを利用しましょう。会場を借りるときは司会台やマイク、ホワイトボード、プロジェクター、スクリーン、音響設備、インターネット回線など必要な備品がそろっているかの確認も必要です。

大人数ならホテルやイベントホール

ホテルの宴会場やイベントホールなどの広い会場を規模に応じたキャパで手配しましょう。音響や映像、照明などに必要な機材も充実しているので利用可能なものを事前に確認しておきます。可能であれば同席できないメンバーに向け、当日の様子をライブ配信してリモートでも参加できるようにするとよいでしょう。

懇親会込みならホテルや結婚式場など

大人数で飲食をともなう懇親会も一緒に実施するならホテルや結婚式場が適します。音響機器や映像機器なども備わっていますし、希望のタイミングでの食事が可能です。少人数で懇親会を兼ねた飲食重視の実施を予定しているなら、レストランや居酒屋なども選択肢としてニーズに合う場所を選びましょう。

必要な資料を作成する

決起会・キックオフミーティングの実施にともない必要な資料を作成しておきましょう。

当日の進行プログラム(アジェンダ)

集会やミーティングの流れに沿って進行プログラムを作成します。具体的な記載内容として以下を参考にしてください。

■会議名:○○○○プロジェクトキックオフ
■日時:20××年□月□日(月)
■場所:○○ビル第2会議室
■目的:メンバー紹介、概要説明など

・挨拶 ○○:○○~
・プロジェクトの概要説明 ○○:○○~
・プロジェクトの詳細説明 ○○:○○~
・プロジェクトのタスク配分 ○○:○○~
・今後のスケジュール ○○:○○~
・メンバー紹介 ○○:○○~
・質疑応答 ○○:○○~

メンバー名簿とチーム構成図

プロジェクトに関わるメンバーの名簿とチームの構成図を作成します。メンバー名簿に所属や顔写真も記載しておくとコミュニケーションがスムーズ。チーム構成図にはリーダーがわかるよう明記するのもポイントです。当日の座席が決まっている場合は座席表も別で用意しましょう。

プロジェクトに関する資料

プロジェクトの説明に使う資料を作成します。資料は、要点をまとめた概要と詳細がわかるテキストやパンフレットなどを分けて用意しておくと説明の際に便利です。

プロジェクトの進行スケジュール

プロジェクトの発足から完了までの進行スケジュールを大まかに作成します。スケジュールを設定し、チームで常にタスクの進捗状況やゴールまでの課題などを共有することがポイントです。

当日の進行に沿って準備する

決起会・キックオフミーティング当日の進行に沿って必要な準備をしましょう。

役割分担を決めておく

たとえば司会進行は誰が務めるのか、質疑応答には誰が対応するのかなどの役割分担を決めておきましょう。ほかにも、プロジェクトの説明、議事録の作成、音響や映像などの機材担当、オンライン配信担当など、内容に応じて割り振りします。

メンバー自己紹介

チーム内でのコミュニケーションを円滑に図るためメンバーの自己紹介は必須です。少人数の場合は名前や所属のほか、プロジェクトへの意気込みなどを発表してもらってもよいでしょう。大人数の場合は軽めの挨拶にとどめ、別枠で交流の場を設けるのも進行上のポイントです。

プロジェクト説明

資料にもとづきプロジェクトの概要や詳細を説明します。また、プロジェクトの目的、プロジェクトに関わる現状の課題、ゴールまでのビジョン、共有しておきたい方向性なども示しましょう。メンバーのモチベーションやチームの結束力を高めるようなプレゼンテーションが重要です。

プロジェクト説明では専門用語の多用に注意しましょう。プロジェクトを「難しい」ととらえられてしまうとメンバーのモチベーション低下につながりますし、プロジェクトの進行もスムーズに運ばなくなるからです。

質疑応答

プロジェクトに関する質疑応答の時間を設けます。メンバーの疑問点を解消し、プロジェクトをスムーズに始動させましょう。

ただし、あまり時間をかけすぎると中だるみやモチベーション低下につながるため、質問数や質問時間を決めて周知します。時間内に収まらない場合は個別にメールや面談で対応しましょう。

アイスブレイクを考えておく

決起会・キックオフミーティングでは初見のメンバーや関係性の強くないメンバーが一同に会するケースもあります。また、プロジェクトの始動に緊張しているメンバーもいるでしょう。

なにかアイスブレイクを考えておけば、メンバーの気持ちがほぐれたり、会場の雰囲気がやわらいだりします。おすすめのアイスブレイクは「自己紹介ゲーム」です。通常の自己紹介にゲーム要素をワンポイント加えるだけで簡単なアイスブレイクが楽しめます。

~自己紹介ゲームの例~

  • 「実は○○です」と意外な一面を発表する。
  • 「マイブーム」とその理由をマニアックに語る。
  • 「24時間以内」に起きた嬉しい出来事を紹介する。
  • 「私を漢字1文字で表すなら○です」と理由も付け加える。
  • 「もし○○だったら○○したい」と妄想で自己紹介する。

懇親会を活用して交流を深める

チームでのコミュニケーション活性や結束力の向上を図るため、懇親会も活用しましょう。決起会・キックオフミーティングに飲食をともなわせて懇親会スタイルで開催してもいいですし、二部制にして懇親会と分けてもかまいません。

~会場選びのポイント~

  • 集会やミーティングと同じ会場なら移動がスムーズ。
  • 集会やミーティングと会場を分けるなら近い場所を探す。
  • 人数に応じた個室や貸切などでプライベート性を高める。

まとめ


決起会・キックオフミーティングは、新しいプロジェクトをスタートさせるときに行う会議や集会のこと。プロジェクトの概要発表、メンバー同士の顔合わせ、チームでの情報共有、メンバーのモチベーションアップなどを目的に実施されます。

決起会・キックオフミーティングを成功させるには、以下のポイントを押さえることが大切です。

  • 開催スタイルを決める。
  • 開催日時を決める。
  • 実施会場を決める。
  • 必要な資料を作成する。
  • 当日の進行に沿って準備する。
  • アイスブレイクを考えておく。
  • 懇親会を活用して交流を深める。

ぜひ、有意義な決起会・キックオフミーティングを開催し、プロジェクトそのものを成功させてください!