送別会では、送る側も送られる側も相手の心に響く挨拶で締めくくりたいものです。
ただ、「どんなことを話せばいい?」と悩んでしまうのも事実。
本記事では、送別会の挨拶が上手くいくよう、送る側・送られる側のスピーチ例文を紹介します。
挨拶を考えるときに役立つポイントも明記してありますので、ぜひ、送別会への準備に活用してください。
送別会の流れに沿った挨拶の順番
送別会で挨拶するときは、どのタイミングで挨拶するのか一般的な流れに沿って順番を確認しておきましょう。
-
- 開会宣言
- 代表の挨拶(最も立場が上の人)
- 乾杯の挨拶(立場が3番目の人)
- 寸志へのお礼
- 食事・歓談
- 送る側の挨拶(主役の同僚や直属の上司など)
- 記念品・花束の贈呈
- 送られる側の挨拶
- 締めの挨拶(立場が2番目の人)
- 万歳三唱・手締めなど
- 閉会宣言
あくまでも一般的な事例ですので、どの立場で送別会に参加するかによって出番の目安にしてください。どの場面であっても、挨拶は1~2分で収めるようにしましょう。
送別会で送る側の挨拶|ケース別のスピーチ例文
ここでは、送別会で送る側の挨拶例文をケース別で紹介します。
転勤・異動する上司への例文
○○課長、入社以来○年間、本当にお世話になりました。
これまで仕事でつまずいたときはフォローくださったり、成果をあげたときは高く評価くださったり、いつも励まされました。
いまでも○○課長から教わった○○という言葉は心の支えです。
ご一緒できなくなるのはさびしいですが、○○課長から学んだことを今後も生かし、これからも努力していきます。
新天地でも健康にご留意されながら、ご活躍なさってください。
また、なにかの機会でお目にかかれるのを楽しみにしております。
本当にありがとうございました。
~ポイント~
- 関わった期間や関わり方を具体的にしながら、これまでの感謝を述べる。
- 上司の人柄に触れながら職場でのエピソードや上司に対する気持ちを述べる。
- 上司から受けた影響、上司から学んだことをあげ、今後の決意を述べる。
- 上司の健康や活躍への祈念を述べる。
- 再会を前提にしながらお礼で締めくくる。
転勤・異動する同僚への例文
○○さん、○年間ありがとうございました。
○○さんと一緒に仕事ができて本当によかったです。
上手くいくことばかりではありませんでしたが、ともに失敗を乗り越えたり、課題を解決したりできたことは私にとって貴重な糧です。
○○さんが転勤(異動)されるのはさびしいですが、○○さんにとってはキャリアアップの機会であると心から応援します。
私も○○さんに負けぬよう、これまで以上に意欲をもって仕事に励む所存です。
新しい職場でも○○さんらしい明るさで周囲の方々を巻き込みながら活躍されると期待しています。
本当にありがとうございました。また会議や研修などでお会いましましょう!
~ポイント~
- 関わった期間や関わり方を具体的にしながら、これまでの感謝を述べる。
- 同僚の人柄に触れながら職場でのエピソードや同僚に対する気持ちを述べる。
- 同僚から受けた影響、同僚から学んだことをあげ、今後の決意を述べる。
- 同僚の仕事ぶりや今後の活躍への期待を述べる。
- 同僚の健康や活躍への祈念を述べ、再会を前提にしながらお礼で締めくくる
転勤・異動する部下への例文
○○さん、○年間ありがとございました。
○○さんには○○の面でいつもフォローしてもらい、本当にたすかりました。
○○さんが入社された当時は仕事を覚えるのが大変そうだったので心配もしましたが、キャリアを積む事に確実に成長されていったので、その努力に感心しましたし、とにかく信頼できる仲間でした。
○○さんと一緒に仕事ができなくなるのはさびしいですが、○○さんの飛躍に向けた新たなステップとして心から応援しています。
新しい仕事や環境に慣れるまで時間がかかるかもしれませんが、どうか健康に気をつけながらご活躍ください。
またいつか、何かの形で一緒に仕事ができる日を楽しみにしています。
本当にありがとうございました。
~ポイント~
- 関わった期間や関わり方を具体的にしながら、これまでの感謝を述べる。
- 部下の人柄に触れながら職場でのエピソードや部下に対する気持ちを述べる。
- 部下の仕事ぶりや今後の活躍への期待を述べる。
- 部下の健康や活躍への祈念を述べる。
- 再会を前提にしながらお礼で締めくくる
転職・独立する上司への例文
○○さん
このたびはご転職(ご開業)誠におめでとうございます。
前々からお話は伺っていましたが本当にこの日が来たのですね。
○○さんのお仕事での功績は言うまでもありませんが、○○さんの周囲への気配りは誰もが認める魅力です。
きっと、新天地でもお仲間と切磋琢磨しながら取り組まれることと思います。
自分には○○さんのような野望はまだありませんが、○○さんから教わった多くのことを生かして今後も○○の分野で結果を出せるよう努力していきます。
どうか健康にご留意されながら、ご活躍なさってください。
○年間、本当にありがとうございました。
~ポイント~
- 関わった期間や関わり方を具体的にしながら、これまでの感謝を述べる。
- 上司の人柄に触れながら職場でのエピソードや上司に対する気持ちを述べる。
- 新天地での上司の活躍や飛躍を願う。
- 上司から受けた影響、上司から学んだことをあげ、今後の決意を述べる。
- 上司の健康や活躍を祈念しながらお礼で締めくくる。
転職・独立する同僚への例文
○○くん
このたびはご転職(ご開業)おめでとう!
これまでお互いいろんなことがありましたが、○○くんと一緒に仕事ができたことは自分の誇りです。
いつだったか飲み会の席で○○の分野に関心があるとは聞いていましたが、本当にその道に進むことになるとは!
ですが、常に有言実行の○○くんなら、新天地でも着実に成果をあげられることでしょう。
○○くんと一緒に仕事ができなくなるのはさびしいですが、○○くんの活躍を心から応援しています。
私も○○くんに負けないよう、これまで以上に成長をめざしながら仕事に励みます。
〇〇くん、これまで本当にありがとう。
健康に気をつけて頑張ってください。
また新生活が落ち着いたら飲みに行きましょう!
~ポイント~
- 関わった期間や関わり方を具体的にしながら、これまでの感謝を述べる。
- 同僚の人柄に触れながら職場でのエピソードや同僚に対する気持ちを述べる。
- 同僚の新しい挑戦をたたえる。
- 新天地での同僚の活躍や飛躍を願う。
- 同僚の健康や活躍を祈念しながらお礼で締めくくる。
転職・独立する部下への例文
○○くん
このたびはご転職(ご開業)おめでとう!
入社して間もない頃から○○の分野に関心があるとは聞いていましたが、本当にその道に進むことになるとは、驚きとともに感心しています。
黙々と努力を重ねてきた○○くんは、きっと新天地でも堅実に成果をあげることでしょう。
○○くんと一緒に仕事ができなくなるのはさびしいですが、○○くんの活躍を心から応援しています。
私も○○くんに負けないよう、○○部の仲間とともにこれまで以上に仕事に励みます。
〇〇くん、これまで本当にありがとう。
健康に気をつけて頑張ってください。
~ポイント~
- 関わった期間や関わり方を具体的にしながら、これまでの感謝を述べる。
- 部下の人柄に触れながら職場でのエピソードや部下に対する気持ちを述べる。
- 部下の新しい挑戦をたたえる。
- 新天地での部下の活躍や飛躍を願う。
- 部下の健康や活躍を祈念しながらお礼で締めくくる。
定年退職する上司への例文
○○部長
長い間お世話になり、本当にありがとうございました。
入社当時は仕事に慣れず、社会生活にもなじめなかった私に温かい言葉をかけてくださったり、ときに厳しくご指導くださったり、いろいろと気にかけてくださったこと、懐かしく思い出されます。
あれから○年、○○部長にお支えいただき私も○○という立場で仕事をさせてもらっていますが、なかなか○○部長には追いつけません。
ですが、○○部長から教わったことを糧にして、今後は仲間とともに、ますます努力する所存です。
ぜひ、お体に気をつけてご家族との時間も楽しみながら第二の人生を有意義にお過ごしください。
○年間、本当にお世話になりました。
~ポイント~
- 関わった期間や関わり方を具体的にしながら、これまでの感謝を述べる。
- 上司の人柄に触れながら職場でのエピソードや上司に対する気持ちを述べる。
- 上司から受けた影響、上司から学んだことをあげ、今後の決意を述べる。
- 退職後の生活を気遣う。
- 上司の健康や活躍を祈念しながらお礼で締めくくる。
寿退社する社員への例文
○○さん
このたびはご結婚誠におめでとうございます。
そして、○年間本当にお疲れさまでした。
これまで〇〇部では○○の分野でたすけていただき、本当にありがとうございました。
仕事への実直さはもちろん、周囲への気配りのきめ細かさにはいつも感心させられていました。
これまで○○さんと一緒に仕事ができて本当によかったですし、いろいろ学ばせてもらえました。
今後はご家庭に入られるということで旦那様とともに新たな人生を歩まれるわけですが、ぜひ、○○さんらしい○○な家庭を築いていってくださいね。
どうかお体に気をつけてお過ごしください。
○○さんのご多幸を心から祈念しています。
本当にお世話になりました。ありがとうございました。
~ポイント~
- 関わった期間や関わり方を具体的にしながら、これまでの感謝を述べる。
- 相手の人柄に触れながら職場でのエピソードや相手に対する気持ちを述べる。
- 相手から受けた影響、相手から学んだことをあげ、今後の決意を述べる。
- 退職後の結婚生活を祝福する。
- 相手の健康や活躍を祈念しながらお礼で締めくくる。
送別会で送られる側の挨拶|ケース別のスピーチ例文
ここでは、送別会で送られる側の挨拶例文をケース別で紹介します。
転勤・異動する場合の例文
本日は、お忙しい中、私のためにこのような会を開いていただき、ありがとうございます。
また、先ほどは○○部長はじめ、皆さまから温かいお言葉をいただき、感謝いたします。
このたび、○月○日付け○○支社への転勤(異動)が決まりました。
これまで私を多方面からお支えいただき、本当にありがとうございました。
皆さまと一緒にお仕事できたことを励みに新天地でも果敢に取り組む所存です。
また会議や研修、社内行事などでお会いすることもあると思いますので、いつの日か、お目にかかれることを楽しみにしております。
最後になりましたが、○○株式会社のますますのご発展と、○○部の皆様のご健康、ご活躍をお祈り申し上げ、お礼の挨拶とさせていただきます。
本日は本当にありがとうございました。
~ポイント~
- 送別会、はなむけの言葉へのお礼を述べる。
- 転職・異動のタイミングと配属先を述べる。
- これまでの感謝と今後の抱負を述べる。
- 再会を前提に今後のことを述べる。
- 会社の発展や送る側の活躍を祈念しながらお礼で締めくくる。
転職・起業する場合の例文
本日は、お忙しい中、私のためにこのような会を開いていただき、ありがとうございます。
また、先ほどは○○部長はじめ、皆様から温かいお言葉をいただき、感謝いたします。
このたび、○月○日付けで退職し、その後は○○にて○○に従事いたします。
これまで私を多方面からお支えいただき、本当にありがとうございました。
皆様と一緒にお仕事できたことを励みに新天地でも果敢に取り組む所存です。
これからは別々の道を歩むわけですが、それぞれの道でともに飛躍できればと思います。
最後になりましたが、○○株式会社のますますのご発展と、○○部の皆様のご健康、ご活躍をお祈り申し上げ、お礼の挨拶とさせていただきます。
本日は本当にありがとうございました。
~ポイント~
- 送別会、はなむけの言葉へのお礼を述べる。
- 退職のタイミングと退職理由を述べる。
- これまでの感謝と今後の抱負を述べる。
- 会社の発展や送る側の活躍を祈念しながらお礼で締めくくる。
定年退職する場合の例文
本日は、私のためにこのような会を開いていただき、誠にありがとうございます。
また、皆様からたくさんの温かいお言葉を頂戴し、感謝の念に耐えません。
入社以来、この○○年、長いようであっと言う間でした。
(職歴や仕事におけるエピソード)
こうしてつつがなくこの日を迎えることができましたのも、社長をはじめ、○○部の皆様のおかげです。
やりがいをもって取り組める仕事に就かせてもらえたこと、自分を成長させながら職場で皆様との時間を共有できたこと、すべてが人生の財産です。
お別れするのはさびしいですが、これからの○○部は皆様がご活躍されながらこれまで以上に発展させてくれることと思います。
皆様、本当にいろいろとありがとうございました。
最後になりましたが、○○株式会社のますますのご繁栄と、○○部の皆様のご健康、ご活躍をお祈り申し上げ、お礼の挨拶とさせていただきます。
本日は本当にありがとうございました。
~ポイント~
- 送別会、はなむけの言葉へのお礼を述べる。
- 入社から退職までを振り返りエピソードを述べる。
- これまでの感謝と相手へのねぎらいやエールを述べる。
- 会社の繁栄や送る側の活躍を祈念しながらお礼で締めくくる。
寿退社する場合の例文
本日は、お忙しい中、私のためにこのような会を開いていただき、ありがとうございます。
また、先ほどは○○部長はじめ、皆様から温かいお言葉をいただき、感謝いたします。
このたび、結婚を機に○月○日付けで退職することとなりました。
入社以来、○年間、本当にお世話になりました。
これまで○○の業務に携わらせていただきましたが、皆様へは至らないことも多かったと思います。
私にとっては、いつも○○部の皆様が支えてくださり、やりがいをもって取り組んでこれました。
本当にありがとうございました。
職場と家庭では環境が違いますが、職場での経験を糧にして、これからは家族を支えられる自分として新しい人生を歩んでいきたく思います。
最後になりましたが、○○株式会社のますますのご発展と、○○部の皆様のご健康、ご活躍をお祈り申し上げ、お礼の挨拶とさせていただきます。
本日は本当にありがとうございました。
~ポイント~
- 送別会、はなむけの言葉へのお礼を述べる。
- 退職のタイミングと退職理由を述べる。
- これまでの感謝と今後の思いを述べる。
- 会社の発展や送る側の活躍を祈念しながらお礼で締めくくる。
まとめ
送別会の挨拶は、送る側も送られる側も立場に応じたポイントを意識してまとめておきましょう。
送別の理由によって変わる部分はありますが、いずれにしても「これまでの感謝」「仕事におけるエピソード」「これからの抱負」「相手に対するいたわりの言葉」で構成するとスマートにまとまります。
挨拶が短すぎると味気なくなり、長すぎるとシラけてしまいますので、スピーチを1~2分で収めるのもポイント。ぜひ、本記事で紹介したケース別の例文を参考に、自分らしい言葉でカスタマイズして心に響く挨拶を披露してください。