新入社員歓迎会に招待されたら、気になるのは「マナー」ではないでしょうか。ただの飲み会ではないため、新社会人としてのふさわしい振る舞いが求められます。
そこで本記事では、新入社員歓迎会で失敗しないよう、意識しておきたいマナーをチェックリスト化していますので歓迎会までの準備に役立ててください。
新入社員歓迎会が開催される目的は?
新入社員歓迎会の目的は、ずばり先輩社員との交流です。お互いに名前や所属を伝え合う自己紹介の場であるほか、人柄や個性などに触れる機会でもあります。お酒を飲んだり食事をしたりしながら先輩社員と親睦を深めることで、新入社員が会社や仕事に早く慣れるようにと多くの企業が新入社員歓迎会を開催しています。
新入社員歓迎会で注意したいマナー|チェックリスト
ここでは、チェックリスト形式で新入社員歓迎会にふさわしいマナーを紹介します。身だしなみから翌日のお礼まで歓迎会の流れに沿ったマナーについて解説しますので、詳しく見ていきましょう。
【1】身だしなみに清潔感をもたせる
特に指定がなければ出社時の服装のまま参加できますが、清潔感には気を配りましょう。シャツや上着に過度なシワがないか、靴は汚れていないかの確認はもちろん、お座敷での会食の場合は靴下に穴が開いていたりストッキングが破れたりしていないかも注意を。また、髪型についても食事の席にふさわしいスタイルを心がけましょう。女性の場合は露出の多い服装やボディラインがくっきり出る服装を避けるのもマナーです。
【2】遅刻やドタキャンがないように
よほどの事情がない限り、歓迎会への遅刻やドタキャンは印象を悪くします。歓迎会へは基本的に参加するのがマナーですし、お店で待ち合わせをしているなら新入社員が先に行って先輩社員を店頭で待つのもマナーです。万が一、どうしても参加できない事情が発生した場合は理由を説明し、丁重にお詫びしましょう。
【3】座るべき席を確認してから着席する
もし、上司や先輩から『こちらへどうぞ』とうながされたら指定された席に座ります。一方で、なんの指示もなければ「下座」といって、お店や個室の入口から近い席に座りましょう。入口から遠い「上座」には目上の人が座るのが一般的なマナーですので、お店に入ったらまず席の位置を確認するのが大切です。
【4】新人らしい謙虚でさわやかな態度で
挨拶や自己紹介を『上手にこなそう』と肩に力を入れなくてもかまいません。歓迎会での発言に必要なのは新人らしい謙虚でさわやかな態度です。自分のことを話すときはハキハキと明るく、相手のことを聞くときは関心をもってうなずいたり質問したり。もし、わからないことや出来ないことがあったら、『教えてくださいますか』と率直に頼むとよいでしょう。
【5】マイナス評価される発言をしない
自己紹介や上司や先輩との会話では、マイナス評価を受けるような発言は避けましょう。たとえば、『できるだけ残業はしたくない』『販売や接客は苦手だ』などのネガティブ発言はもちろん、まだ仕事に慣れていないうちから『はやく〇〇部に異動したい』『いつか起業したい』など、現状を飛び越えた願望を熱く語るのもNGです。
【6】無礼講であっても節度をもって
新入社員の緊張をほぐそうと上司や先輩が『無礼講でいこう!』と盛り上げてくれたとしても、学生のようなノリで自由に振る舞っていいわけではありません。あくまでもビジネス会食であることを忘れず、節度をもった言動に終始しましょう。かといって堅苦しい雰囲気では上司や先輩に気を遣わせてしまうので、とにかく場を楽しもうとする積極的な態度も意識しましょう。
【7】乾杯は飲めなくてもスマートに
乾杯はビールで合わせるのが一般的ですが、たとえ飲めなくてもグラスに口をつけることはしておきましょう。もし、『好きなもの注文していいよ』といわれたら飲みたいドリンクを注文してかまいません。乾杯のときは上司や先輩より低い位置でグラスを差し出します。乾杯したからといってすぐに飲み干さず、まずは遠い席にいる上司や先輩にも黙礼して少し飲んでから一旦グラスを置きましょう。
【8】お酒は一声をかけてから注ぐ
グラスが空きそうな人がいたら率先して注いであげるのも歓迎会でのマナー。ただし勝手に注ぐのではなく、まず『〇〇部長』『〇〇先輩』『〇〇さん』と相手の名前を呼んでから『新入社員の〇〇です』と挨拶します。そして『お注ぎしましょうか?』『ビールでよろしいですか?』などとたずねましょう。もし飲み放題でグラスごとにオーダーするスタイルなら、『なにか飲まれますか?』『お替わりを注文しましょうか?』とオーダーを取ってあげるとよいでしょう。
【9】お酒の注ぎ方・注がれ方は好ましく
お酒は注ぐのにも注がれるのにもマナーがあり、お酒の種類によっても異なりますので、それぞれ好ましいマナーを確認しておきましょう。
■ビールの場合■
~注ぎ方~
- 片手は瓶や缶の底に、もう片方の手はラベルを上にした下側に持ちます。
- グラスに瓶や缶が当たらないよう最初は勢いよく注ぎます。
- 徐々にゆっくり注ぎながらグラスの2~3割ほどが泡になるよう調整します。
- 泡がグラスから少し出るくらいまで注ぎましょう。
~注がれ方~
- グラスに残っているビールは飲み干します。
- 片手でグラスをもち、もう片方の手はグラスの底に添えます。
- 最初はグラスを少し傾けてビールを受けます。
- グラスの半分くらいまで注がれたらまっすぐに直してもちましょう。
■日本酒の場合■
~注ぎ方~
- 片手でとっくりの首部分をもち、もう片方の手は底に添えます。
- 底に添えた手のひらは上ではなく自分に向くようにします。
- お店のあふれるような注ぎ方ではなく、おちょこの8分目くらいまで注ぎます。
- とっくりとおちょこが当たらないよう注意しましょう。
~注がれ方~
- おちょこに残っているお酒は一口飲んでから差し出します。
- おちょこの横と底に両手を添えてもち注いでもらいます。
■ワインの場合■
~注ぎ方~
- 片手で注ぐのが正式ですが、片手で瓶底を、もう片方の手でネック部分をもってもかまいません。
- ワインが垂れた場合に備えて片手に布やナプキンを添えておくのもポイント。
- ラベルが上を向くようにし、注ぎ口がグラスに当たらないよう1/3程度(スパークリングワインワインは2回で2/3程度)まで注ぎます。
- 注ぎ終わったら、ワインが垂れないよう軽くボトルをひねりながら戻します。
- 瓶に水滴がついている場合、布やナプキンを添えて水滴が垂れるのを防ぎます。
~注がれ方~
- グラスは手で持ち上げずテーブルの上に置いたまま注いでもらいます。
- グラスに残っているワインは飲み干さなくてかまいませんが、日本式だと飲み干してから受ける方が丁寧に映るかもしれません。
【10】食事は上司や先輩が手をつけてから
乾杯のあとの食事は、いきなり食べ始めるのではなく上司や先輩が手をつけてからにしましょう。さらに食事を始める前に『いただきます』と言って箸をのばすと好印象です。
【11】飲食しながらでも気配りを
どのような会場で、どのようなスタイルで会食するかにもよりますが、大皿の料理を取り分けたり、遠い席の人に届かない料理を届けたり、飲食しながらでも気配りしましょう。ただし、それぞれの好みやペースがあるため、まずは『なにかお取りしましょうか?』と一声かけてからがベター。衛生面にも気をつけ、皿や料理を扱うときは丁寧に盛り付けて渡しましょう。
【12】積極的に会話して交流を深める
歓迎会では自己紹介も行いますが、上司や先輩との交流を深めるには積極的に会話することが重要です。基本的には仕事に関することでかまいませんが、相手から趣味や特技などプライベートなことを聞かれたら率直に答えましょう。もし『なにを話そう……』と話題に悩んだら、『〇〇先輩が新入社員のとき、仕事を覚えるため取り組まれたことや工夫されたことがあれば教えてください』というように入社当時のエピソードをたずねてもよいでしょう。
【13】帰り支度は上司や先輩が席を立ってから
歓迎会がお開きになっても、すぐに席を立つのは控えましょう。帰り支度をするのは上司や先輩が席を立ってから。もちろん『先にどうぞ』とうながされたら速やかに会場から出ます。お開きになったタイミングで『ごちそうさまでした』とお礼を述べるのもお忘れなく。
【14】二次会・三次会への参加は臨機応変に
もし、二次会に誘われたら可能な限り参加するのが望ましいですが、三次会以降は断っても問題ありません。いずれも体調や終電時刻、翌日のスケジュールなどに応じて参加するかどうかを決めましょう。参加できない場合は、『せっかくのお誘いなのですが、〇〇〇〇という事情があり、ここで失礼させていただいてよろしいでしょうか』と伺いを立てます。そして『本日は歓迎会を開催していただき、本当にありがとうございました』とお礼も述べましょう。
【15】歓迎会の翌日は必ずお礼を伝えよう
新入社員のためにと開いてくれた歓迎会ですから、翌日は上司や先輩にお礼を伝えましょう。たとえば『昨日は歓迎会を開催していただきありがとうございました』とシンプルにお礼するのもいいですが、できれば『〇〇さんから入社当時のことをお聞きしてすごく参考になりました』『〇〇先輩とお話できて仕事への意欲がさらに増しました』など、歓迎会の感想を添えるとより好印象になります。
まとめ
新入社員歓迎会は先輩社員との交流を目的に開催されるビジネス会食です。新入社員の緊張をほぐそうと『無礼講で』と先輩社員から言われることもありますが、やはりマナーは意識する必要があります。
お酒の注ぎ方や注がれ方など慣れないマナーがあるかもしれませんが、基本的には先輩を立てて謙虚に、新入社員らしくつつましくもさわやか態度で振る舞い、自分のこと以外にも気を配っていれば失敗することはありません。
ぜひ、本記事で紹介したチェックリストを活用し、ふさわしいマナーで歓迎会を楽しんでくださいね!