忘年会の司会を任されて気になるのが「うまく進行できるだろうか?」「どういう挨拶をすればいいの?」などではないでしょうか。
ただ、忘年会の司会進行は流れに沿ったテンプレートのような形で運べば、初めて司会をつとめる方やイベントを仕切るのに不慣れな方でもスマートにこなせます。
本記事では、司会進行の台本としても使えるよう、司会者のセリフ例文を忘年会の場面ごとにご紹介。忘年会の司会で失敗しないため挨拶のポイントを解説します。ぜひ、本記事を活用しながら忘年会の準備にお役立てください。
忘年会での司会進行の流れ
まずは一般的な忘年会の流れを確認してから司会進行のイメージをわかせましょう。
- 開会宣言(司会者)
- 開会の挨拶(最も立場の高い人)
- 乾杯(3番目に立場の高い人)
- 食事・歓談
- 余興
- 食事・歓談
- 中締めの挨拶(2番目に立場の高い人)
- 閉会宣言(司会者)
どの挨拶を誰が行うかは忘年会の規模や参加者層によって変わる場合もありますので、具体的なプログラムを決めながら対象者を選びましょう。
【台本付き】忘年会の司会進行に役立つセリフ例文
ここでは、忘年会の司会進行に沿ったセリフ例文にポイントを添えて紹介します。
開会宣言
開始時間になったら忘年会の開会を宣言しましょう。
皆様、こんばんは!
本日は株式会社○○の忘年会にご参加いただき、ありがとうございます。
本日司会を務めさせていただきます、○○(名前)です。
初めての司会で不慣れな点もあるかと思いますが、精一杯つとめさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
本日は一年の労をねぎらうべく、最後まで大いに楽しんでください。
それでは、これより忘年会を開会いたします!
■つかみを面白くさせたいなら
例:忘年会ではありますが「帰る家」まで忘れないよう、くれぐれも飲み過ぎにはご注意ください(笑)
~ポイント~
- 会場を落ち着かせてから挨拶を始める。
- 明るく大きな声で呼びかける。
- 挨拶⇒参加へのお礼⇒自己紹介⇒盛り上げの一言の順でスタート。
開会の挨拶
開会の挨拶は、参加者の中で最も立場の上の人にお願いします。対象者には1~2分程度の持ち時間を伝えた上で事前に依頼しましょう。
《社内のみの場合》
はじめに、○○社長より一言ご挨拶いただきます。
○○社長、よろしくお願いいたします。
(挨拶の後)○○社長、ありがとうございました。
《社外の参加者もいる場合》
はじめに、弊社代表取締役社長○○よりご挨拶を申し上げます。
よろしくお願いいたします。
(挨拶の後)挨拶へのお礼は不要。
~ポイント~
- 挨拶する人の立場や名前を手短に伝える。
- 相手の名前や役職を間違えないこと。
- 社内向けと社外向けの違いに注意。
来賓の挨拶
社外からの来賓に挨拶をお願いする場合もあります。来賓が複数いる場合は来賓の中で最も高い立場の人に依頼しましょう。対象者には1~2分程度の持ち時間を伝えた上で事前に依頼しておくのがマナー。来賓の挨拶は食事・歓談の後でもかまいませんので、予定している忘年会に合わせて流れを決めましょう。
それでは○○様、よろしくお願いいたします。
(挨拶の後)○○様、ありがとうございました。
~ポイント~
- 挨拶する人の立場や名前を手短に伝える。
- 相手の名前や役職を間違えないこと。
乾杯
乾杯の挨拶は、参加者の中で上から3番目の立場の人にお願いします。対象者には「乾杯の発声をお願いします」と事前に依頼しておきましょう。
《社内のみの場合》
続きまして、○○部長に乾杯のご発声をお願いしたいと思います。
皆様、グラスのご用意をお願いします。
○○部長、よろしくお願いいたします。
(挨拶の後)○○部長、ありがとうございました。
《社外の参加者もいる場合》
続きまして、弊社営業部長○○より乾杯の発声をさせていただきます。
皆様、グラスのご用意をお願いいたします。
よろしくお願いいたします。
(挨拶の後)挨拶へのお礼は不要。
~ポイント~
- 挨拶する人の立場や名前を手短に伝える。
- 相手の名前や役職を間違えないこと。
- 社内向けと社外向けの違いに注意。
- 挨拶の前に参加者へグラスの準備をうながす。
食事・歓談
乾杯の後は食事・歓談に移ります。もし、上司などから寸志(カンパ)を受け取った場合は名前を挙げてお礼をしましょう。
本日、こちらの忘年会にご厚志(ごこうし)を頂戴しておりますので、ご紹介いたします。
〇〇社長、〇〇専務、〇〇部長よりご厚志を頂戴しました。
〇〇社長、〇〇専務、〇〇部長、ありがとうございます。
~ポイント~
- ご厚志の報告は食事や歓談の邪魔にならないトーンで行う。
- ご厚志のお礼は相手の方を向いて丁寧に行う。
余興
余興がある場合は食事・歓談が始まって30分~40分ほど経ってから移ります。
《余興前》
皆様、お食事はいかがでしょうか。お話も楽しまれているようですが、ここで、余興としまして○○(余興の名前)に移りたいと思います。
■ビンゴ大会の場合
これより、豪華景品が当たる大ビンゴ大会を行います!
年末ジャンボより高確率ですよ!
さぁ、今年最後の運試しにチャレンジしてください!
■ゲームの場合
これより、ハラハラ・ドキドキ○○ゲームを行います!
なんと優勝者には○○が贈呈されます!
ルールは簡単(ルールを説明)、それでは始めましょう!
■歌やダンスを披露する場合
これより、有志による圧巻のパフォーマンスを披露します!
この日のためにメンバー全員で練習に励まれたそうです。
どうか温かい拍手や声援で盛り上げをお願いします!
◆カラオケ大会の場合
これより、毎年恒例のカラオケ大会に移ります!
今年のトップバッターは、ハイトーンボイスが自慢の○○君です!
披露していただく歌は今をときめく○○(歌手名)のヒット曲○○です。
さぁ、オンステージで熱唱していただきましょう!
それでは○○君、よろしくお願いします!
《余興後》
皆様、○○(余興の名前)はお楽しみいただけたでしょうか?
それでは、まだまだお食事も残っていますので、お時間の許す限りどうぞおくつろぎください。
~ポイント~
- 場を落ち着かせてから始める。
- 余興の説明はわかりやすく手短にする。
- 明るく楽しく余興を盛り上げる。
- 余興の後の率直な感想も添えて締めくくる。
中締めの挨拶
中締めの挨拶は、参加者の中で2番目に立場の高い人にお願いします。対象者には1~2分程度の持ち時間を伝えた上で事前に依頼しましょう。
《社内のみの場合》
さて皆様、宴もたけなわではございますが、ここで○○専務に中締めの挨拶をお願いしたいと思います。
それでは○○専務、よろしくお願いいたします。
(挨拶の後)○○専務、ありがとうございました。
《社外の参加者もいる場合》
さて皆様、宴もたけなわではございますが、ここで弊社専務○○より中締めの挨拶を申し上げます。
よろしくお願いいたします。
(挨拶の後)挨拶へのお礼は不要。
~ポイント~
- 場を落ち着かせてお開きの雰囲気を作る。
- 挨拶する人の立場や名前を手短に伝える。
- 相手の名前や役職を間違えないこと。
- 社内向けと社外向けの違いに注意。
司会が中締めを兼任する場合は参加へのお礼や忘年会を振り返っての一言を添えて挨拶しましょう。
皆様、本日は株式会社○○の忘年会にご参加いただき誠にありがとうございました。
初めての司会で至らぬ点もあったかと思いますが、お楽しみいただけたでしょうか。
○○(余興)では○○さんの○○のおかげで大変に盛り上がりました。
○○さん、素晴らしいパフォーマンスをありがとうございました!
皆様、今年一年、本当にお疲れ様でした。来年もどうぞよろしくお願いいたします。
それでは、株式会社○○のますますの発展と皆様のご活躍を祈念しまして、○締め(手締め)で締めたいと思います。
お手を拝借。よーお!(手拍子)
ありがとうございました!
手締めを行う場合は「締め方」も事前に確認しておきましょう。
~手締め~
●1丁締め……よぉ~っ。パン。
●1本締め……よぉ~っ。パパパン・パパパン・パパパンパン。
●3本締め……よぉ~っ。パパパン・パパパン・パパパンパン(2回)、もう1丁orもう1本、パパパン・パパパン・パパパンパン。
閉会宣言
中締めの後、しばらく歓談の時間をとってから閉会宣言をします。
皆様、お名残り惜しいのですが、そろそろ○○忘年会のお開きの時間になりました。
つたない進行だったかと思いますが、皆様のおかげで盛況のうちに幕が閉じられそうです。
ここまでお付き合いくださり、誠にありがとうございました。
これにて、株式会社○○の忘年会をお開きとさせていただきます。
《二次会がある場合》
まだまだ楽しみたいという方のために、この後、○○(会場名)にて二次会を用意しております。
ご参加いただける方は、○○でお待ちください。(参加者への詳しいアナウンス)
お帰りの方は、お忘れ物がないかご確認の上、どうぞ気をつけてお帰りください。
本日はありがとうございました!
■なにか面白い一言を添えたいなら
例:今年、こうして忘年会をやったことまでは忘れずに来年を迎えてください(笑)!
例:忘年会は終わっても仕事納めまで仕事は終わりませんので必ずご出社ください(笑)!
~ポイント~
- 参加者へのお礼⇒忘年会を振り返っての一言を述べる。
- 中締めも兼ねる場合は長々と話さず手短にまとめる。
- 二次会参加者がスムーズに移動できるよう丁寧にアナウンスする。
- 帰宅する参加者には最寄り駅へのアクセスなどもアナウンスする。
忘年会の司会進行で失敗しないために
忘年会の司会進行で失敗しないよう、大切なポイントを確認しておきましょう。
- 明るく元気につとめる
- ウケ狙いしすぎない
- しっかり準備する
それぞれ簡潔に解説します。
明るく元気につとめる
忘年会の司会にコツがあるとすれば「うまく」より「楽しく」です。うまくやろうとすると緊張してしまいますが、楽しもうという気持ちでのぞめば自ずと明るく元気につとめられます。とにかく笑顔でハキハキと話すことを意識しましょう。
ウケ狙いしすぎない
忘年会を盛り上げようと頑張りすぎる必要はありません。プロでも笑いをとるのはむずかしいことですから、ウケを狙いすぎると悪目立ちする可能性大です。どうしても「笑わせたい」という場合は、開会宣言や閉会宣言の最後にユーモアのある一言を添える程度でトライしてみましょう。
しっかり準備する
忘年会の司会を「完璧」にこなそうとせず、とにかく決められた時間の中でスケジュール通りすすめることを重視しましょう。流れに沿った進行表や司会のセリフを記載した台本などを準備し、当日は「カンニング」しながらでかまいませんので着実に会を進行しましょう。
まとめ
忘年会の司会は流れに沿って進行すればスマートにこなせますので、プログラムが確定したら台本や進行表を作成しておきましょう。
会場を盛り上げるのは大切ですが、笑いを取ろうとすると裏目に出ることもあります。司会の挨拶では無理にウケを狙おうとせず、ユーモアのある一言を添える程度で場をなごませましょう。
また、「段取りを間違えないように」「セリフを噛まないように」と意識しすぎるのも逆効果です。少々のミスやハプニングは許容範囲ととらえ、とにかく「楽しむ」「楽しませる」ということをテーマに明るく元気に忘年会を盛り上げましょう!