フレンチレストランで食事をすることになり、とても楽しみだけど「テーブルマナーに自信がない」とお悩みなら本記事をご活用ください。
本記事では、着席から退席まで、フルコースの順番に沿った食べ方も含めてフランス料理の好ましいテーブルマナーを紹介します。
また、基本的なテーブルマナー以外の気になるレストランマナーもQ&A形式で解決しいきますので、お食事での参考にしてくださいね!
着席や離席など席でのマナー
レストランでは着席から退席までスマートに振る舞いましょう。
着席も退席も左側から
テーブルまで案内されたら席の左側から着席します。離席や退席のときも左側からです。バッグがあれば背中と椅子の背もたれに挟むような形で置きます。大きめのバッグは自分の足元の左側に置いてかまいませんが、サーブの邪魔にならないよう注意しましょう。
席を外すなら注文の後に
着席後、もし席を外したくなっても注文前はNGです。必ず注文してからにしましょう。電話や御手洗いなどはできるだけ入店前に済ませておくのがベター。また、どうしても避けられない食事中の離席は「料理と料理の間にする」「ウエイターにひとこと声をかける」など、好ましいエチケットを心がけましょう。
ナプキンの正しい使い方マナー
ナプキンを使うときはタイミングや置き方を意識しましょう。
ナプキンは食事の前に膝の上へ
注文が終わったら、食前酒や前菜が運ばれてくるまでにナプキンを膝の上に置きます。ナプキンは半分に折り、輪(折り目)を手前にしてかけましょう。もし、ウェイターが広げてくれるようなら任せます。
口や手を拭くのはナプキンの内側で
もし手や口が食事中に汚れたときはナプキンの内側で拭きます。ここで注意したいのが、つい自分のハンカチやティッシュを出して拭いてしまうこと。レストランが準備したナプキン以外のもの使うと「このナプキンは汚れているので使えません」の意味になるので気をつけましょう。
食後はナプキンを無造作に置いておく
すべての食事を終えたら、ナプキンを膝から取ってテーブルの左側に置きます。このとき、礼儀正しくナプキンをきれいに折りたたむ必要はありません。ナプキンをたたんで置いてしまうと料理やサービスに「満足できなかった」という意味になるからです。食後のナプキンは失礼のない程度に無造作な状態で置いておきましょう。
カトラリーの正しい使い方マナー
ナイフ、フォーク、スプーンといったカトラリーは使う順番や置き方を覚えておきましょう。
カトラリーは外側から使う
ナイフ、フォーク、スプーンといったカトラリーはショープレート(飾り皿)を中心にして、料理が運ばれてくる順番で外側から並べられています。ショープレートの上にあるのはコーヒーやデザートに使うものです。
~これはNG~
- 料理を最初に切り分ける。
- フォークを右手に持ち替える。
- フォークの腹に乗せて食べる。(イギリス式は「背」が正解)
- フォークに刺した料理を一口で食べない。
- カトラリーの柄(持ち手部分)を皿の外に大きくはみ出して置く。
食事中の置き方は八の字に
食事中にナイフとフォークを離す場合はハの字になるよう皿の上に置きます。また、ナイフの刃は内側(自分側)に、フォークは背(裏側)を上に向けて置きましょう。
食べ終わりの置き方は4時の位置に
食事が終わり、ナイフとフォークを揃えて置くと「ごちそうさま」の意味になります。イギリス式とフランス式とで置く場所に違いはありますが、一般的にイギリス式のテーブルマナーを採用している日本では「4時」の位置に置いて問題ありません。
フランス料理のコースの順番
ここでは、フランス料理をフルコースでいただくときの順番を確認しておきましょう。
- アミューズ(おつまみ)※コースによる
- オードブル(前菜)
- スープ
- 魚料理
- 肉料理(メイン)
- ソルベ(シャーベット)※コースによる
- 肉料理(焼き物)※コースによる
- デザート
- カフェ
コースによって省略されるメニューもありますが、一般的には前菜からデザート、食後のドリンクまでが順番に構成されています。
フランス料理の正しい食べ方マナー
ここからはフランス料理のフルコースの食べ方を順番に見ていきましょう。
グラスは3本の指を足元に添えて持つ
フランス料理とともに楽しむワイン。グラスを持つときは体温をワインに移さないよう、「親指」「人差し指」「中指」の3本でグラスの足元を持ちます。乾杯ではグラス同士を当てず、目線の高さに掲げるようにしましょう。
アミューズやオードブルはメニューに合わせて
アミューズは、おつまみのような軽い一品です。専用のカトラリー(食器)がない場合、そのまま手で食べてかまいません。オードブルは生野菜が添えられていたり、いくつかの盛り合わせで出てきたりします。食べにくい葉物野菜はフォークで押さえながらナイフで小さくたたみましょう。ソースが添えてある場合はナイフで料理を切ってからソースをつけて口へ運びます。
スープは手前から奥にすくって音を立てず飲む
日本のレストランの多くが採用しているイギリス式マナーでは、スプーンを手前から奥に動かしスープをすくいます。スープを飲むときは音を立てないように注意し、「吸う」のではなくスプーンと舌で流し込むようにしましょう。スープが残り少なくなってきたら、左手で器を持って右奥へ傾けてすくいます。
パンはちぎってからバターをつけて食べる
パンは、ひと口サイズにちぎって食べます。パンをちぎったときに出るパンくずは、そのまま放置しておきましょう。パンは出されたタイミングで食べてもいいですし、オードブルやスープ、メインと一緒に食べても問題ありません。
~これはNG~
- ソースやスープにつけて食べる。
- パンをちぎる前にバターやオリーブオイルをつける。
- パンくずをテーブルの下に払って落とす。
魚料理は魚の身の左側からナイフを入れて食べる
魚の「筋」に沿って左側から断面が斜めになるようナイフを入れ、ひと口サイズに切ってから食べます。切り口が人から見えないようにするのもポイント。魚料理に添えてある付け合わせは魚と一緒に食べても、それだけを食べてもかまいませんが、どちらかだけが偏って残らないようにしましょう。
肉料理の肉は冷めないよう切り分けながら食べる
肉の左側から断面が斜めになるようナイフを入れ、ひと口サイズに切ってから食べます。すべて切り分けると肉汁が流れて肉が冷めてしまうので食べる分だけを切るようにしましょう。付け合わせの葉物野菜はフォークで押さえながらナイフで小さくたたんで食べます。
肉の焼き加減は肉の種類や部位に合わせてシェフが絶妙に仕上げてくれますが、もし好みがあるなら注文の際に伝えておきましょう。
~肉の焼き加減~
- レア……表面だけが焼いてあり中心部は生の状態。
- ミディアムレア……レアとミディアムの中間。
- ミディアム……少し赤みを残す程度に中心部まで火を通した状態。
- ウェルダン…赤みが残らないくらい中心部まで十分に火を通した状態。
デザートは溶けるものや薄味のものから食べていく
ジェラートやアイスクリームなど溶けるものがあれば先に食べます。また、盛合わせのように数種類が並んでいるなら味の薄いものから手をつけましょう。もしフルーツが添えてあえるなら、フルーツの部分を最後まで残しておくと見た目が美しく上品に食べられます。
コーヒーや紅茶は右手でカップを持って飲む
コーヒーや紅茶はカップを右手で持って飲みます。もし持ち手が左側にセットされていたら、右手で外側からぐるっと回して右側にくるようにしましょう。ソーサー(受け皿)は持たないのがマナーですが、テーブルが低ければ紅茶にはソーサーを添えてもかまいません。
角砂糖を使う場合はスプーンにのせてから飲み物がはねないようにカップに入れます。熱くて飲みづらい場合は、スプーンでかき混ぜるか表面をなぞるかして冷ましましょう。
~これはNG~
- 角砂糖を使うときトングで直接カップに入れる。
- コーヒーや紅茶が熱いからと息を吹きかけて冷ます。
- ミルクを入れてからスプーンで何回もかき回す。※2~3回でOK
【Q&A】レストランマナーの疑問を解決しておこう
ここでは、レストランでの食事の前に基本的なテーブルマナー以外の気になることを解決しておきましょう。
Q. 落としたものは拾っていいの?
食事中に落としたカトラリーやナプキンはウェイターが交換してくれるのを待ち、けして自分では拾わないようにしましょう。もし、ウェイターが気づいていないようならウェイターを呼んで拾ってもらいます。
Q. ウェイターを呼ぶときは?
ウェイターを呼ぶときは声をかけずアイコンタクトで呼びましょう。手を挙げたり指を鳴らしたりしてウェイターを呼ぶのは厳禁です。
Q. マスクはどうすればいい?
マスク会食を推奨しているレエストランでは注文するまでマスクをつけておくのがベター。マスクはナプキンを膝に置くタイミングで外し、食事中はバッグやマスクケースなど目につかないところにしまっておきましょう。
Q. 服装やドレスコードは?
お店によって異なりますので公式HPや電話で確認するのが大切です。普段着のような服装を避け、きちんと感のあるキレイめな装いを意識しましょう。男性はジャケット×パンツがマスト。女性は露出しすぎないよう上品な印象になるようコーディネートしましょう。
Q. サプライズ演出はしてよい?
ほかのゲストの迷惑になるような行為でなければ可能です。お店によっては花束やプレゼント、デザートプレート、ケーキ用パーティースパーク(花火)など準備していますので、希望に合った記念日のプランがないかもチェックしておきましょう。
Q. 会計におけるマナーは?
テーブルの上でゲスト同士が割り勘の準備をするのは厳禁。ひとりのゲストがまとめて会計するのがマナーです。また、接待や記念日のホストはゲストに会計の様子を見せないよう注意しましょう。
まとめ
フレンチレストランでの食事はテーブルマナーに悩むかもしれませんが、基本的なマナーを予習しておけば問題ありません。
本記事では、日本の多くのレストランで採用されているイギリス式マナーをもとにフランス料理の好ましいテーブルマナーを紹介しました。
フルコースの流れに沿った食べ方ほか、スマートな着席や退席、ナプキンやカトラリーの使い方など入店から退店までのマナーがわかりますので、ぜひ参考にしながら素敵なひとときを楽しんでくださいね!